調剤報酬改定2020のまとめと点数表について

2020年(令和2年)の調剤報酬改定の内容や点数表についてまとめています。

調剤報酬改定2020の主な内容

2020年の調剤報酬改定の主な内容を挙げていきます。

吸入指導加算(30点)が新設

吸入薬の指導に関する加算が新設されました。

対象が気管支喘息治療薬、COPD治療薬だけであり、抗インフル薬などが対象外なのは少し残念ですが、今まで評価されてなかった点が評価されるようになったというのは大きいのではないでしょうか。

詳細は個別記事にもまとめてあるので参照してください。

吸入薬指導加算が新設|2020年(令和2年)の調剤報酬改定について

調剤後薬剤管理指導加算(30点)が新設

こちらは薬機法の改定でも話題となった、投薬後の患者フォローアップに関する点数とも捉えられる内容です。

投薬後における対人業務の評価と言えそうですが、対象が思いの外狭い内容となっており、糖尿病患者のうちインスリン製剤又はスルホニルウレア剤を使用している患者。

しかも、新たにインスリン製剤又はスルホニルウレア剤が処方もしくは処方内容変更があったときのみ。

まぁいきなり全患者さんを対象にするのは、各方面から反対意見とかがあったのかもしれないですね。

ただ、新しい薬剤師の評価が新設されたと前向きに捉えれば積極的にとっていきたい点数です。

詳細は以下もみてみてください。

調剤後薬剤管理指導加算が新設|要件や点数の詳細は?2020年(令和2年)の調剤報酬改定

服用薬剤調整支援料2(100点)が新設

複数医療機関から合計6種類以上の内服薬を使用している患者さんに対して、処方医に状況を記載した文書を用いて重複解消を提案した場合に算定できます。

従来の服用薬剤調整支援料と違う点として、実際に減薬がなくても、提案だけで算定できます。

正直、従来の服用薬剤調整支援料は算定がほぼ不可能と思っていたので、少しでもハードルが低くなった服用薬剤調整支援料2は歓迎と言いたいところですが、こちらも実際に算定となると、なかなか簡単じゃないという印象です。

詳しくまとめは記事も確認してください。

服用薬剤調整支援料2が新設|算定要件や点数について|2020年(令和2年)の調剤報酬改定

特定薬剤管理指導加算2(100点)が新設

通称、ハイリスク薬加算2ですかね。

100点は高いと思いましたが、算定要件を見ると100点でも納得の内容です。

対象が抗がん剤使っている患者さん、しかも注射された患者にその後の抗がん剤内服薬のフォローアップをした場合という感じですね。

こちらもなかなかのハードルの高さです。

詳細は以下の記事を確認してください。

特定薬剤管理指導加算2が新設|内容と算定要件、点数、算定事例など|2020年(令和2年)の調剤報酬改定

経管投薬支援料(100点)が新設

経管投薬が行われいる患者さんに対して、簡易懸濁法を開始するに当たって、必要な支援を行った場合の点数です。

従来なかった点数ですので、算定できる内容が新設されたのはありがたいですが、対象患者さんがあまり多くないのと、具体的にどこまでやれば算定できるのかが、不明確な部分があるので、今後注視していきたいですね。

オンライン服薬指導料が新設

だいぶ前から言われていたオンライン服薬指導がついに明確に指導料として設定されました。

在宅でない場合の点数は43点であり、薬剤服用歴管理指導料と大差はありませんが、オンライン服薬指導で明確に算定できるようになったのは良いですね。施設基準等もあるためしっかりと環境を整えてから実行する必要があります。

また、在宅患者の場合は点数が57点となります。こちら施設基準を満たす必要があります。

緊急で計画外の在宅訪問薬剤管理指導についても算定可

緊急時の訪問薬剤管理指導はジュライ、計画の対象となっていない場合に算定できなかったため、今回の改定で算定することがなりました。

在宅を積極的にやっている薬局については良い改定であり、現場の仕事が少し評価されて内容が追加されたという印象です。

分割調剤時の服薬情報等提供料が変更

分割調剤のうち、医師の指示によるものは、分割回数で割る必要がなくった形です。

なかなかハードルの高い分割調剤ですが、少しでもやりやすくなって、評価される点数が高くなるのは良い傾向ですね。

調剤基本料1でも地域支援体制加算の条件

従来基本料1を算定している薬局は地域支援体制加算を算定する上で実績要件がありませんでしたが、今回の改定では、実績の条件が追加される形になりました。

✔︎ 電子薬歴システムなどのICT導入✔︎ 服薬情報等提供回数が平均月1回以上

✔︎ 在宅業務が平均月1回以上

✔︎ 健康サポート薬局研修を修了した薬剤師が多職種連携会議に出席

内服薬調剤料の変更

14日以下の場合も2区分のみ(1-7日:28点、8-14日:55点)となりました。

完全に下げられると思っていましたが、意外と従来と比べて高くなるケースもありますね。ただ、15-30日までは一律で引き下げられた形です(15-21日:64点、22-30日:77点)。

まぁここはおそらく今後も下がっていく方向なのかなと思います。

かかりつけ薬剤師指導料はプライバシーの配慮を

かかりつけ薬剤師指導料の施設基準に「患者との会話のやりとりが他の患者に聞こえないようパーテーション等で区切られた独立したカウンターを有するなど、患者のプライバシーに配慮していること」が追加になっています。

正直、さほど難しい基準でなく、パーテーションをamazonあたりで頼めば何の問題もありません。

これを理由にかかりつけを取れなくなるということはありえないので、もし未実施の薬局があればすぐにでも対応するようにしましょう。

薬剤服用歴管理指導料のリセット期間が3ヶ月に

従来6ヶ月だった薬剤服用歴管理指導料のリセット期間が3ヶ月になりました。

高い指導料を算定できるチャンスが広がったとも言えますが、趣旨としては患者さんが使う薬局を集約化される目的と捉えられます。

今後の可能性として、この3ヶ月いないの来局患者が極端に少ない薬局は、お薬手帳の持参が極端に少ない薬局のようなペナルティを受ける可能性も、今後0ではない気もするので、単純に喜ぶのは危険な感じがありますね。

また、薬剤服歴管理指導料の算定要件に、お薬手帳に主に利用する薬局名を記載するよう患者さんに促すことや、残薬の理由や状況をお薬手帳に記載し、医師に情報提供する努力項目も追記されている点も、実施率が極端に低いと今後のペナルティ要件になる可能性もあるため、注意が必要です。

処方箋の同時受付は基本料が80%に

複数処方箋を同時に持ってきた場合、2枚目から基本料が80%になるという内容が追加となりました。

患者さんには間違いなくありがたい内容、薬局側は稼ぎ頭の基本料が減るのは少し痛いという結果になりました。

しかし、患者さんにこの内容が浸透すれば、かかりつけ薬局としてちゃんとやろうとしている薬局は、結果として処方箋枚数が増えて恩恵を受ける結果に繋がりそうです。

問題は、この制度が本当に患者さんに理解されるか、という点ですね。ここは薬剤師が丁寧に説明していく必要があるでしょう。

また、合わせて処方箋期限の点についてもよく理解してもらう必要がありますね。処方箋期限については今回の改定では具体的な変更はない様子。

まぁみなさんが危惧している通り、処方箋の期限切れのパターンはおそらく増えるでしょうね。

後発医薬品調剤体制加算の点数変更

後発加算は微調整がありました。

75%以下はなくなるという噂もあったので、残ってくれただけでもありがたいという印象です。

しかし、75%は当然点数は引き下げ、80%が据え置きで、85%以上さらにアップ、という感じです。まぁ当然の流れという感じですね。

さらにペナルティの対象が20%以下から、40%以上に引き上げになりました。最終的に50%以下とかにもなりそうな勢いですね。何れにしてもさらなるジェネリック使用の流れは避けられないでしょう。

調剤報酬の最新の点数表と改定内容の算定要件など

参照しておきたいものとして、点数表は、別紙1-3 調剤報酬点数表

算定要件などはこちらでご確認ください。(厚生労働省 中医協総-1 2.1.29)。

調剤報酬改定の目玉は

個人的には吸入指導加算(30点)と調剤後薬剤管理指導加算(30点)が新設された点が注目です。

対人業務の評価ということで、薬機法の改定でも患者フォローの内容が追加されましたが、この2項目に関しては、現実的にすぐにでも算定することが可能な新設項目だと思います。

吸入指導に関しては、やはりイナビルやリレンザなどのインフル薬が対象に含まれなかったのは残念な感じがありますが、喘息患者、COPD患者に関しては、吸入薬を新規で使ったり、別のデバイスに変更するようなケースも比較的よくみられるため、すぐにでも算定できる準備をしておきたいところです。

練習用吸入器が必須となるので、卸、メーカーさんには事前にデモ器をもらっておくのが良いでしょう。逆にデモ器をくれないようなメーカー(特にジェネリック?)は採用しないほうが良いかもですね。

調剤後薬剤管理指導加算は薬機法改定内容の患者フォローの項目を反映したかさんだと思いますが、こちらも対象が思いの外狭い印象ですね。糖尿病治療薬のうち、インスリン製剤又はスルホニルウレア剤と指定されているため、DPP-4とかSGLT2とかは対象外なんでしょうね。

ただ、こちらもインスリン製剤の変更や、SU剤の追加などは糖尿病患者さんでは比較的よくあることです。

今回、目玉として取り上げた新設の2項目ですが、いずれも医師の了解や患者の求めがあるのが必須であり、文書提供も必要です。

手順としてはやや手間ですが、このような加算の積み重ねが、薬剤師の地位向上にもつながると思われるので、積極的にとっていきたいところです。

その他の新設項目、服用薬剤調整支援料2、特定薬剤管理指導加算2などは正直、少し算定が現実的ではないのでは?と思っていまいますね。対象があまりにも狭いというか、条件が厳しいというか。100点という点数は評価がある程度高いと考えられますが、業務量の割にあるかというと、どうなんでしょうかね。現時点では曖昧な点もあるので、今後の流れも見ていきたいですね。

薬剤師の将来性は

今回の調剤報酬の改定を受けて、個人的に思ったことは、まだまだ薬剤師は生き残れる道が多くあるという印象です。

吸入指導や、調剤後薬剤管理指導加算は大きな流れとなりそうですし、薬剤師業界が実績をつめば、対象の薬剤も増えたり、点数もアップしてくるのではないかと思います。

また、オンライン服薬指導など業務の幅も広がっていますし、かかりつけ薬剤師や在宅は今後もさらに点数があがる可能性があると思います。

対物業務はこのままの流れでさらに点数が減る傾向がついと思われますが、対人業務のスキルをあげていけば、薬剤師の活躍の場はさらに増え、医療従事者の中でも地位が上がったり存在感が増す可能性が十分あるでしょう。

そのためには薬剤師として継続的な勉強やスキルアップは当然必須ですね。

個人的にも引き続き自己研磨を頑張っていきたいと思うような調剤報酬改定の内容でした。

調剤報酬改定2020は不正請求をしないように

2020年4月から新しい調剤報酬がスタートしますが、対人業務に着眼点がシフトしてきており、今までの調剤報酬と毛色が違ってきている内容もあります。

レセプトも厳しくなってきている中で、曖昧な基準で加算をし、算定要件を満たさないと不正請求とも判断されかねないので、正確な内容の把握が必要です。

新たな調剤報酬の内容の詳細を、わかりやくまとめて確認する場合は、薬剤師のポータルサイトの利用が一般的です。

m3.com:エムスリー株式会社が運営
日経DI:株式会社 日経BPが運営

大手だと上記の2種類ですが、情報の偏りをなくす意味でも複数利用するのが良いでしょう。

なお、いずれも会員登録が必要ですが、無料で使えます

m3.comは業界ニュースの他にも、薬剤師掲示板の機能があり、個々の加算の具体例や、現場の薬剤師が疑問に思うことなどが日々議論されています。

閲覧だけでも勉強になりますが、もちろん自分で質問をして回答をもらうこともできます。

日経DIも業界ニュースが読みやすい形で配信されています。薬剤師掲示板の機能はありませんが、処方薬辞典などこちらも使いやすいコンテンツが無料で使えます。

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・好きなログインID、パスワード、氏名、生年月日、性別、メールアドレス
・医療資格(「薬剤師」を選択)
・勤務先名と都道府県

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・国家資格取得年 等

今後は、これらの薬剤師ポータルサイトなどを利用して自分の中でしっかりとした算定基準を持つことをが必要です。レセプトの返礼の嵐なんてことにならないようにしっかり継続学習しましょう。

それぞれの公式登録サイトは以下の通りです。

m3.comの登録ページはこちら

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