今回は薬剤師の職場の人間環境を改善するする方法として、ソーシャルスタイル理論の活用について紹介したいと思います。
ソーシャルスタイル理論とは
ソーシャルスタイル理論は1960年代にアメリカの産業心理学者デビッド・メリルが提唱した理論です。
人間のタイプを4つのスタイルに分類し、タイプごとに望ましいとコミュニケーションを考察している理論です。
Cタイプ アナリティカル 例)タモリ、羽生名人 |
↑ 感情を抑える |
Dタイプ ドライビング 例)ビートたけし、北村弁護士 |
←意見を聞く | 意見を主張→ | |
Bタイプ エミアブル 例)所ジョージ、西郷隆盛 |
感情を出す↓ | Aタイプ エクスプレッシブ 例)明石家さんま、豊臣秀吉 |
エクスプレッシブ
感情を出しながら意見を主張する人です。
有名人の例として、明石家さんまや豊臣秀吉などが挙げられます。
陽気で明るく、行動力もあるケースが多いタイプです。
薬剤師には結構少ないタイプかもしれませんね。
エミアブル
感情は豊かですが、人の意見を聞くタイプです。
有名人の例として、所ジョージ、西郷隆盛などが挙げられます。
他人への気遣いを見せたり、人に自分の意見を押し付けるようなことは避ける傾向にあります。
個人的には薬剤師に結構多いタイプかなと思います。
アナリティカル
感情を抑えつつ、人の意見も聞く人です。
有名人の例として、タモリ、羽生名人などが挙げられます。
自己主張はあまりせず、几帳面で論理的に考えるため、客観的事実を大事にします。
薬剤師というより、プログラマーとかに多い印象ですが、男性だと結構このタイプもいる気がします。
ドライビング
感情は抑えているが、自分の意見は主張するタイプです。
有名人の例として、ビートたけし、北村弁護士などが挙げられます。
判断が早く、自分で意思決定する傾向があるため、仕事ができると思われやすいタイプです。
薬剤師の中でも出世している人に多いタイプの気がします。
薬局でソーシャルスタイル理論を活かせば人間関係が変わる…かも
薬局においてもソーシャルスタイル理論を活かせば、人間関係を改善できる可能性があります。
相手のソーシャルスタイルを正しく把握できれば、それに対する対処法があるからです。
それぞれのソーシャルスタイルに合わせた対処法は以下の通りです。
エクスプレッシブへの対処法
一番扱いやすいタイプかもしれません。
とにかく頼りにしている風を装う。相手に気持ちよく話をさせてあげる。これだけで十分人間関係が良くなるはずです。
雑談も好きなので適度に交えつつ、感情面で訴えればこちらの要求も聞いている可能性が高くなります。客観的事実よりも感情論で攻めるのがコツです。
相手に興味がなくても興味を持っている風を装うのも効果的でしょう。
このような人とはそもそもあまり人間関係でこじれるケースは、こちらが苦手と思っていても、相手側は特に気にしていないというパターンも多いです。正直あまり響かないメンタルの持ち主であることが多い気がします。
薬局でこのタイプの人がいたら、得意なことに集中してもらい、自分はそれ以外のことをやるのがうまく回るかもしれません。ただ、こっちはストレスたまるかも。
エミアブルの対処法
このタイプの人は自分で責任を持つを避ける傾向があるため、仕事をお願いするときなどはコツが必要です。
あたなだけの責任ではない、一緒にやります的なことを言うと、お願いしたことをやってくれる可能性が高くなります。やさしい人が多い傾向があるタイプなので、単独でトラブルを引き起こすようなことはあまりないタイプかもしれませんね。
話すときはゆっくり話してあげて、雑談を交えるのも良いでしょう。エクスプレッシブと同様客観的な事実よりも感情論で話したほうが伝わりやすいタイプと言えます。
このタイプの人は、人間関係を大切にするタイプが多いため、あまり問題になるケースは多くないかもしれませんん。どちらかというといじめるタイプではないので、このパターンの人から被害を受けることはあまりないでしょう。
どちらかといえば、自分がこのパターンの人にイライラしてしまうことがある、というケースが多いかもですね。
薬局でこのタイプの人と関わるときは雑談などのコミュニケーションもしっかりとりながら、仕事をこれやって、あれやってと優しく言うのが良いでしょう。
アナリティカルの対処法
自分からはあまり喋らないケースが多いタイプでしょう。
計画的に行動したい人が多いタイプなので、結論を急かさないことが重要です。何か依頼をするときは多少ゆっくりになることをあらかじめ想定しておきましょう。
感情論で訴えるのは逆効果になる可能性もあるので、具体的なデータや客観性のある話をこころ掛けましょう。話自体はゆっくり進め、雑談等も挟む必要はありません。
このタイプの人とうまくいかない理由で多いのが、こちらが結論を急かしてしまうケースがあります。相手はゆっくり考えて計画的にやりたいので、気分を害している可能性があります。
薬局でこのタイプの人がいる場合、辞める時も静かに決断している時があります(笑)。
薬局業務ではスピードが重視される作業が多いですが、アナリティカルの人はその中でも計画的に進めたいと考えているため、ある程度好きにやらせておくのが無難です。
ドライビングの対処法
一番難しいタイプかもしれません。
自分が意思決定をしたいので、こちらから積極的に何かをお願いするのは難しいかもしれません。お願いするときは、最低2つの選択肢を与えて、どっちが良いか決めてください、的なことをお願いするのが良いかもしれません。
ただし、その際、客観的に考えて不必要だと思われることはやってくれないかも。また、質問されたことにはなるべく早く回答してあげるようにしましょう。結論がでないと相手はイライラしてくることがあります。
薬局でこのタイプの人なかなか注意が必要です。自分でなんでも決めたいので、このタイプの人が上司であれば悪くないかもしれませんが、自分と同程度の立場、もしくは自分よりも立場が下であった場合、トラブルの原因になることは結構あるかもです。
人間関係が改善しない場合は
前述の方法はあくまで一般論であるため、どの人もみんながみんな綺麗に4パターンに分けられるわけでもありません。
また、仮に相手のソーシャルスタイルを的確に分類して、適切な対処をしても、結局ストレスを感じ続けることもあるでしょう。何より自分が相手に合わせるというのがそもそもストレスってことも結構あります。
ソーシャルスタイル理論による対処法はあくまで自分の方を変えることであり、相手は何にも変わらないのであらば、人間関係の根本的な問題は解決されないケースもあるでしょう。
その場合はやはり異動や転職の選択肢も視野に入れておくべきです。
異動の準備は人事権のある人への根回し、転職の準備はまずは転職サイト登録です。
転職サイトの登録はどこも無料なので先に行っておき、異動の根回しもしつつ、良い転職案件があれば、その話も聞いてみるという風に進めておくのが良いかも。
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