コンタクトをしたまま点眼できない点眼液の一覧と再装着の時間|保存剤や防腐剤についても

13 眼科

点眼剤とコンタクトレンズ、添加物、保存剤、防腐剤などについて整理していきます。

そもそも点眼剤とソフトコンタクトレンズの相性が悪い理由は?

薬剤師の方は知っている人が多いと思いますが、一応おさらいです。

点眼剤とソフトコンタクトレンズの相性が悪いのは、保存剤・防腐剤が吸着するという理由が主なものです。このほか、主成分が吸着するものもあるので注意が必要。

一番注意が必要なものは、ベンザルコニウム塩化物。

ソフトコンタクトをしたまま繰り返し使うと角膜障害につながる可能性があり。

ただし、ポリソルベート80が一緒に添加されていれば、大丈夫なものもあったりすので一概にベンザルコニウム塩化物が入っていたらダメというわけではないのは注意が必要。

ちなみにワンデーコンタクトはOKとしている論調が多い、ハードコンタクトは最近は外したほうが良いという論調も少し見られる、というのが個人的な印象(例:池袋サンシャイン通り眼科診療所)。

正直、医師によってもこの辺の可否の判断は変わるケースがあるので、もし処方医の先生とすり合わせができる関係性なら、意見を合わせておくのが良いですよね。

コンタクトレンズ装着時に使用できない点眼剤の一覧

コンタクトレンズ装着時に使用できない点眼剤の一覧をまとめてみました。

注意点としては、こちらの一覧は添付文書やインタビューフォームなどにコンタクトレンズについて言及しているものだけです。

実際にはこれ以外の点眼剤もコンタクト装着時には不可であるものも多いのでご注意ください。

ちなみにムコスタUDは明確にダメとは言っていない感じです。

薬剤名 添付文書の記載
パタノール 本剤に含まれているベンザルコニウム塩化物は、ソフトコンタクトレンズに吸着されることがあるので、点眼時はコンタクトレンズをはずし、10分以上経過後装用すること。
リボスチン 重要な基本的注意
本剤はベンザルコニウム塩化物を含有するため、含水性ソフトコンタクトレンズ装用時の点眼は避けること。
ザジテン ベンザルコニウム塩化物によりソフトコンタクトレンズを変色させることがあるので、ソフトコンタクトレンズを装用している場合は、点眼前にレンズを外し、点眼15分以上経過後に再装用すること。
ムコスタUD 本剤の有効成分はソフトコンタクトレンズに吸着することがあるので、目に違和感を感じたときは眼科医に相談すること。
キサラタン ベンザルコニウム塩化物によりコンタクトレンズを変色させることがあるので、コンタクトレンズを装用している場合は、点眼前にレンズを外し、15分以上経過後に再装用すること。
タプロス
( タプロスミニは除く)
ベンザルコニウム塩化物によりコンタクトレンズを変色させることがあるので、コンタクトレンズを装用している場合は、点眼前にレンズを外し、点眼15分以上経過後に再装用すること。
(タプロス点眼液0.0015%のみ)
ルミガン ベンザルコニウム塩化物によりコンタクトレンズを変色させることがあるので、コンタクトレンズを装着している場合は、点眼前に一旦レンズを外し、点眼15分以上経過後に再装用すること。
デタントール 含水性ソフトコンタクトレンズ装用時の点眼は避けるよう指導すること。
エイゾプト 本剤に含まれているベンザルコニウム塩化物は、ソフトコンタクトレンズに吸着されることがあるので、点眼時はコンタクトレンズをはずし、15分以上経過後装用すること。
ザラカム ベンザルコニウム塩化物によりコンタクトレンズを変色させることがあるので、コンタクトレンズを装用している場合には、点眼前にレンズを外し、本剤を投与してから15分以上経過後に再装用すること。
グラナテック ソフトコンタクトレンズ装着時の点眼は避けること。〔本剤に含まれているベンザルコニウム塩化物はソフトコンタクトレンズに吸着されることがある。〕
タリムス ベンザルコニウム塩化物がソフトコンタクトレンズに吸着することがあるので、コンタクトレンズを装着している場合は、点眼前に一旦レンズをはずし、十分な間隔をあけてから再度装着すること。

点眼後のコンタクトレンズ再装着の時間間隔は?

上記の一覧にもあるように、再装着の時間についても添付文書に明記されているものもあるので、再装着の時間に迷った場合は、まずは添付文書を確認しましょう。

明記されていないものに関してですが、上記の一覧表の通り15分以上というものが結構多数派です。

一般的には点眼した薬剤は5〜10分程度で90%以上消失するとされている(出典:患者指導のための剤形別外用剤Q&A 南山堂)ので、まぁ15分あけておけばまず安心ですかね。

ただし、ゲル化点眼剤などはちょっと例外なのでこれはまた別途注意が必要です。

ヒアレインやジクアスはコンタクトOK?

ところでヒアレインの防腐剤が「ベンザルコニウム塩化物」から「クロルヘキシジングルコン酸塩液」に変わりましたね。

これにより適応上の注意の「ソフトコンタクトレンズを装用したまま使用しないよう指導すること。」の文言が削除になりました。

で、これはソフトコンタクトレンズつけたまま点眼して良くなったこととイコールなのか?

どうもそこまでの論調でないような印象を受けるんですよね。メーカーも積極的に宣伝している感じでもなく、ソフトコンタクトがダメということはなくなりました、という感じ。

個人的な印象ですが、ソフトコンタクトを使って良いとは明確に言わず、あくまで医療機関の判断なのかな、という印象です。

患者さんから聞かれた場合は、明確にはダメじゃないけど、一応保存剤入っているから、気になるなら外しても良いと思う、くらいを伝えるのが安全ですかね、、、

 

ちなみに、ジクアスも防腐剤はクロルヘキシジングルコン酸塩液なので、こちらも添付文書にソフトコンタクトの注意喚起はなし。

キノロン系は防腐剤がない?

少し話がそれますが、キノロン系の点眼剤が入ってません。

抗菌スペクトルが広いので、保存剤が必要ないということらしいです。

たしかに、成分自体が防腐剤みたいな感じですもんね。じゃーこれはソフトコンタクトしたままでもOK?

う〜ん、まぁなんとなく気持ち悪いですが、明確にダメという根拠はないかもですね。

ただし、キノロン系でもオゼックスは「本剤の有効成分がソフトコンタクトレンズに付着し、レンズが白濁するとの報告がある。」という記載があるので、これはちゃんと外して使う必要があります。

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