緑内障の治療薬の一覧と使い分け|患者さんへの説明の仕方など

13 眼科

緑内障の点眼治療薬について、一覧と使い分け、患者さんへの説明などについてまとめました。

緑内障の治療薬一覧

近年、主に使われる緑内障の点眼治療薬の一覧は以下の通りです。

分類 成分名(一般名) 主な製品名
交感神経遮断薬 ベタキソロール(β1) ベトプティック
カルテオロール(β) ミケラン
チモロール(β) チモプトール
レボブノロール(β) ミロル
ニプラジロール(α1・β) ハイパジール
ブナゾシン(α1) デタントール
プロスタグランジン関連薬 イソプロピルウノプロストン レスキュラ
ラタノプロスト キサラタン
トラボプロスト トラバタンズ
タフルプロスト タプロス
ビマトプロスト ルミガン
炭酸脱水酵素阻害薬 ドルゾラミド トルソプト
ブリンゾラミド エイゾプト
副交感神経刺激薬 ピロカルピン サンピロ
交感神経刺激薬 ジピベフリン(非選択) ピバレフリン
ブリモニジン(α2) アイファガン
Rhoキナーゼ阻害薬 リパスジル グラナテック
配合剤 ラタノプロスト/チモロール ザラカム
トラボプロスト/チモロール デュオトラバ
タフルプロスト/チモロール タプコム
ラタノプロスト/カルテオロール ミケルナ
ドルゾラミド/チモロール コソプト
ブリンゾラミド/チモロール アゾルガ

❕付録1:薬剤師クイズ 〜新人薬剤師の退職理由〜❕

一年目で辞めてしまった薬剤師にアンケートを実施した結果、退職理由で最も多かったものはどれ?

A. 勤務時間やシフトの不満
B. 業務内容の不満
C. 人間関係の不満
D. 給与面の不満

緑内障の治療薬の作用機序と患者さんへの説明

交感神経遮断薬は主に毛様体のβ遮断による房水産生の抑制によるもの。α1遮断によるものは、ぶどう膜強膜流出路(副経路)を介した房水流出促進。患者さんへの説明は、眼圧を上げる液体を作り難くするなど。

プロスタグランジン関連薬はぶどう膜強膜流出路からの房水流出促進。患者さんへの説明は、眼圧を上げる液体を外に出しやすくするなど。

炭酸脱水酵素阻害薬は毛様体の炭酸脱水酵素を阻害し、ナトリウムの液輸送を低下させ、房水産生を抑制する。患者さんへの説明は、眼圧を上げる液体を作り難くするなど。

副交感神経刺激薬は毛様体筋を収縮させて、縮瞳にし、線維柱帯を広げることにより房水流出を促進。患者さんへの説明は、眼圧を上げる液体を外に出しやすくするなど。

交感神経刺激薬は、α受容体刺激により房水産生の抑制、線維柱帯のβ受容体刺激による房水流出の促進。α2刺激にはぶどう膜強膜流出路を介した房水流出促進の作用もある。患者さんへの説明は、眼圧を上げる液体を外に出しやすくするなど。

Rhoキナーゼ阻害薬は線維柱帯細胞、細胞外マトリクス、シュレム菅内皮細胞に作用し、房水流出抵抗を減少させる。患者さんへの説明は、眼圧を上げる液体が出にくくなることを改善するなど。

緑内障治療薬の使い分け

第一選択としてはプロスタグランジン関連薬やβ遮断薬などの交感神経遮断薬が多く用いられており、炭酸脱水酵素阻害薬もしばしば併用で用いられる。必然的のこれらの併用薬も多い。

ピロカルピンは緑内障治療ではあまり積極的には用いられなくなっている。

交感神経刺激薬のジピベフリンやブリモニジンは他の薬で効果がない時などが登場の機会が多い。

Rhoキナーゼ阻害薬のリパスジルも原則他の治療薬で効果が不十分な場合となる。

❕付録2:薬剤師クイズ 〜辞めた後の問題〜❕

一年目で辞めてしまった薬剤師へのアンケートで、「退職後に問題になったこと」で最も多かった回答はどれ?

A. 転職先で経験や技術が不足していると感じた
B. 給料が下がった
C. その後も転職を繰り返すようになった
D. 特に問題になることはなかった

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