ヒルドイドの一般名とジェネリック

薬剤師なら一度は調剤するだろうヒルドイドですが、以外とジェネリック変更、一般名処方で迷うケースがあるので整理してみました。

ヒルドイドの種類

ヒルドイドの種類は現在全部で5種類あります。

・ヒルドイドソフト軟膏0.3%(発売:1996年7月8日)
・ヒルドイドクリーム0.3%(発売:1954年10月1日)
・ヒルドイドローション0.3%(発売:2001年7月9日)
・ヒルドイドゲル0.3%(発売::1988年10月1日)
・ヒルドイドフォーム0.3%(発売:2018年9月13日)

一番馴染みがあるだろうソフト軟膏は意外と3番目の発売、次に使われているだろうヒルドイドローションも割と新参者の4番目、最近はあまり使われなくなったクリームが一番の古株です。

そしてヒルドイドゲル、今使う人いるのかな。

ヒルドイドフォームはジェネリックより後に出てきた製品。1本あたりの量が92gでいろいろと物議を醸し出す要因を作っている曲者。

現在、ヒルドイド製品は上記のような5種類ですが、メインで使われているのがソフト軟膏と、ローションといったところでしょう。

❕付録:薬剤師クイズ 〜疑義照会が必要かも〜❕

70代男性、以下の継続処方あり。

Rp.1)ジャヌビア50mg 1錠
分1 朝食後     30日分
Rp.2)アジレクト1mg 1錠
分1 朝食後     30日分
Rp.3)アミティーザ24μg 2cap
分2 朝夕食後    30日分

主訴)
・便秘はまだ続いている。薬続けて様子みるよ。
・腰も痛い状態が続いてて、整形で痛み止めのカプセルが追加になった。
・最近トイレに起きる回数が多くて。尿が出るのも少し時間がかかるかな。

上記の患者さんで疑義照会が必要な可能性があります。

ヒルドイドの一般名

ヒルドイドの一般名はヘパリン類似物質、というのは割と周知の事実ですね。類似物質ってなんだよって話もありますが、それはとりあえず置いておきます。

問題は剤型の部分まで含めた際の一般名であり、厚労省が公開している「処方箋に記載する一般名処方の標準的な記載」 からピックアップすると以下のようになります。

一般名コード 一般名処方の標準的な記載 該当するヒルドイド製品
2649950M1ZZZ 【般】ヘパリン類似物質ゲル0.3% ヒルドイドゲル
3339950M1ZZZ 【般】ヘパリン類似物質軟膏0.3% ヒルドイドソフト軟膏
3339950N1ZZZ 【般】ヘパリン類似物質クリーム0.3% ヒルドイドクリーム
3339950Q1ZZZ 【般】ヘパリン類似物質外用液0.3% ヒルドイドローション
3339950R1ZZZ 【般】ヘパリン類似物質スプレー0.3% ヒルドイドフォーム

まぁまとめてみると、ここまでもそこまで複雑ではないですね。ローションは外用液、ソフト軟膏は軟膏となっているので特に紛らわしくないです。

ただ、これをジェネリックで調剤するときは少し注意ですね。

ヒルドイドのジェネリック変更、一般名記載の場合も

ヒルドイドの処方のジェネリック変更、一般名記載の場合のジェネリック調剤は少し注意が必要です。

ヒルドイド製品、一般名(基剤の構成成分)、該当するジェネリック医薬品は以下の通りです。

ヒルドイド製品名 一般名(基剤の構成成分) ジェネリック医薬品
ヒルドイドソフト軟膏 ヘパリン類似物質軟膏
(油中水型(w/o))
・ヘパリン類似物質油性クリーム「日医工」
・ヘパリン類似物質油性クリーム「テイコク」
・ヘパリン類似物質油性クリーム「ニットー」
・ヘパリン類似物質油性クリーム「ニプロ」
・ヘパリン類似物質油性クリーム「アメル」
ヒルドイドクリーム ヘパリン類似物質クリーム
(水中油型(o/w))
・ビーソフテンクリーム
・ヘパリン類似物質クリーム「YD」
・ヘパリン類似物質クリーム「SN」
・ヘパリン類似物質クリーム「ラクール」
・ヘパリン類似物質クリーム「アメル」
ヒルドイドローション ヘパリン類似物質外用液 ・ビーソフテンローション0.3%
・ヘパリン類似物質ローション0.3%「YD」
・ヘパリン類似物質ローション0.3%「ニットー」
・ヘパリン類似物質ローション0.3%「ニプロ」
・ヘパリン類似物質ローション0.3%「ラクール」
ヒルドイドゲル ヘパリン類似物質ゲル ・ビーソフテンゲル0.3%
・ヘパリン類似物質ゲル0.3%「アメル」
・ヘパリン類似物質ゲル0.3%「テバ」
・ヘパリン類似物質ゲル0.3%「トーワ」
ヒルドイドフォーム ヘパリン類似物質スプレー ・ヘパリン類似物質外用スプレー0.3%「日医工」
・ヘパリン類似物質外用スプレー0.3%「サトウ」
・ヘパリン類似物質外用スプレー0.3%「YD」
・ヘパリン類似物質外用スプレー0.3%「ファイザー」
・ヘパリン類似物質外用スプレー0.3%「PP」
・ヘパリン類似物質外用スプレー0.3%「TCK」
・ヘパリン類似物質外用スプレー0.3%「テイコク」
・ヘパリン類似物質外用スプレー0.3%「ニットー」
・ヘパリン類似物質外用スプレー0.3%「ニプロ」
・ヘパリン類似物質外用スプレー0.3%「日新」・ヘパリン類似物質外用泡状スプレー0.3%「PP」
・ヘパリン類似物質外用泡状スプレー0.3%「ニットー」
・ヘパリン類似物質外用泡状スプレー0.3%「日本臓器」

注意点は、ヒルドイドでいうソフト軟膏とクリームの違い。ジェネリックは共に「クリーム」の名称が使われています。ソフト軟膏に該当するのが油性クリーム、クリームはそのままクリームです。この二つの違いとして基剤の構成成分があり、ソフト軟膏(油性クリーム)が油中水型(w/o)、普通のクリームが水中油型(o/w)となります。一般名処方の場合、ヘパリン類似物質軟膏でもジェネリックで調剤する場合は「油性クリーム」となるので注意が必要です。

また、「ヘパリン類似物質スプレー」の一般名できた場合、通常のスプレーと泡状スプレーの両方がある点も注意が必要でしょう。現在は通常のスプレーが一般的ですが、従来泡タイプで使ってきた患者さんの場合は、泡タイプを希望している可能性があります。その他、後述のg数にも注意が必要となります。

ヒルドイドフォームのジェネリックとg数

ヒルドイドフォームは1本あたり92gという中途半端な量になっています。このため、ヒルドイドフォームをジェネリックに変更する場合、全量も100gに変更する必要がある(現在ジェネリックは100gが一般的)ため、疑義照会が必要となります。実質、ヒルドイドフォームは変更できないようなもんですね。

2020/6/26追記
コメントをいただき、上記は間違いという指摘をいただきました。上記は特例で疑義照会なしで調剤が可能のようです。

また、一般名の場合も同様の注意が必要です。

「ヘパリン類似物質スプレー 100g」の一般名できた場合は、これはジェネリック医薬品で調剤、逆に「ヘパリン類似物質スプレー 92g」できた場合は、これは一般名ですが先発のヒルドイドフォームを調剤しろといっているようなものですね。

2020/6/26追記
こちらもコメントで指摘いただいたように、「ヘパリン類似物質スプレー 92g」はヒルドイドフォーム以外のジェネリックも調剤可能のようです。

ヒルドイドローションのジェネリック変更も注意が必要

ヒルドイドローションをジェネリックに変更するときも注意が必要ですね。

ヒルドイドローションと、ビーソフテンをはじめとしたジェネリックのローションは全く使用感が異なります。

ヒルドイドローションは乳液に近い感じ、ビーソフテンなどのローションは化粧水に近い感じがあります。

なお、ジェネリックであるヘパリン類似物質ローションのうち、「ラクール」のものは白色のローション剤であり、比較的ヒルドイドローションに近い感じがあるため、ヒルドイドローションから変更しても違和感が少ないでしょう。

また、たまにあるのが、一つに処方箋に「ヘパリン類似物質外用液」が2個書いてあるパターン。

これ、記載ミスってこともありますが、結構医師が意図して処方しているケースがあります。片方はヒルドイドローション、もう一方は化粧水タイプのビーソフテンローションもしくはヘパリン類似物質ローションを一つずつというケースです。もしパターンに出会ったら、患者さんに意図を確認してみましょう。大体はそれで解決、それでもわからなければ疑義で確認するのがベターですね。確認せずにヒルドイドローション2本渡すのはナンセンスですし。

より詳しい情報はポータルサイトでも

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15 皮膚科
ヤクサキ 薬剤師その先へ

コメント

  1. からあげだいすき薬剤師 より:

    突然失礼いたします。
    ヒルドイドフォームの変更については、いろいろな記事で同じような事が書かれておりますが、これはどこかに確認した情報でしょうか?

    ブログ内の記載で、「ヒルドイドフォームをジェネリックに変更する場合、全量も100gに変更する必要がある(現在ジェネリックは100gが一般的)ため、疑義照会が必要となります。」
    と記載がありますが、これは間違っているようです。

    変更不可のチェックが無ければ、疑義照会無しで変更することができます。
    全量も100gに変更して大丈夫です。一般名処方(92g)から100g製剤への変更も可能です。

    日東メディックが厚生労働省の経済課に確認を取られている情報です。(なぜ経済課に問い合わせているのかは不明ですが・・・)
    ただし、この「疑義照会なしに変更できる」という情報については、web上のどこにも公開されておらず、また根拠となる資料も公開していないとのことです。
    ただ、日東メディックやポーラファルマは、聞かれたときにはこのように案内されているようです。(率先して案内していないことは腑に落ちませんが・・・。)

    確かに一般的な変更調剤のルールの解釈だと、ブログの記載でおっしゃるとおりだと思いますが、本件に関しては特例のようです。

    一度、添付文書に書かれている相談センターに確認してみてください。

    乱筆失礼いたしました。


    ちなみにですが、逆のパターンをマルホにも確認しました。

    Q:一般名ヘパリン類似物質スプレー 100g→ヒルドイドフォーム92gでの調剤は可能ですか?

    A:疑義照会してください。

    だそうです。

  2. pharmacist より:

    >からあげだいすき薬剤師 様
    ご指摘ありがとうございます。大変勉強になりました。
    記事の方にも修正を加えさせていただきました。
    今後ともよろしくお願いします。

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