点眼液に関して冷所保存が必要なものをまとめました。
冷所保存が必要な点眼液
冷所保存が必要な点眼液の一覧は以下の通り
一般名(成分名) | 代表的な製品名 | 保存する温度 |
ジクロフェナクナトリウム | ジクロード | 10℃以下 |
ラタノプロスト | キサラタン | 2〜8℃ |
トラボプロスト | トラバタンズ | 1〜25℃ |
ラタノプロスト/チモロール | ザラカム | 2〜8℃ |
ピレノキシン | カタリン | 溶解後のみ冷所 |
グルタチオン | タチオン | 溶解後のみ冷所 |
セフメノキシム | ベストロン | 溶解後のみ冷所 |
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冷所保存が必要な点眼液の詳細
上記の内容に関して、ジクロード、キサラタン、トラバタンズ、ザラカムについては基本は開封前の保存について。開封後は室温で良いとされている。
ジクロードの開封後は「室温(1〜30℃)で保存してもかまいません。」(ジクロード くすりのしおり)
キサラタンの開封後は「開封後は、専用の袋に入れ、光を避けて室温(1〜30℃)で保存することもできます」(キサラタン くすりのしおり)
トラバタンズの開封後は「開封後は、保存袋に入れて室温で保存してもかまいません。」(トラバタンズ くすりのしおり)
ザラカムの開封後も「開封後は、専用の袋に入れ、光を避けて室温(1〜30℃)で保存することもできます」(ザラカム くすりのしおり)
一方、溶解系のものは、溶解した後に冷所が必須となります。
カタリンKの溶解後は「顆粒溶解後は冷所(1〜15℃)に遮光して保存し、3週間以内に使用してください。」(カタリンK くすりのしおり)
タチオンの溶解後は「溶解後は必ず添付の点眼袋にいれて冷所(1〜15℃)に保管し、4週間以内に使用してください。」(タチオン点眼 くすりのしおり)
ベストロン点眼用の溶解後は「粉末溶解後は冷所(1〜15℃)に保存し、7日以内に使用してください。」(ベストロン点眼用 くすりのしおり)
ところでトラバタンズの配合剤であるデュオトラバはなぜが開封前も室温保存になっています。この理由ですが、実はトラバタンズも室温であまり問題ないということみたいです(メーカーさんに教えてもらいました。)。実際にジェネリックのトラボプロスト点眼液0.004%「ニットー」は室温保存になってますし…
ただ、その理論でいくとキサラタンのジェネリック(ラタノプロスト点眼液0.005%)もどうなんだろうと…メーカーによって室温と冷所が分かれていますね。本当は室温でもあまり問題ない気がしますが、そこは念のため添付文書に従いましょう。
開封後の使用期限の目安は1ヶ月
冷所の話から少しそれますが、点眼薬は開封後の使用期限についてもたまに聞かれます。
正式には添付文書やくすりのしおりを確認するのが確実ですが、どの点眼も概ね1ヶ月としているものが多いです。
ベストロンやカタリンは溶解しているので少し例外ですが、その他の目薬は開封後はおおよそ一ヶ月を目安に考えておく様にすれば良いでしょう。
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