疑義照会において、大きい病院などでは医師に連絡がなかなかつかないということも少なくありません。
今回はそのようなケースでの対処法をまとめていきます。
疑義照会の法律は薬剤師法第24条など
まずは、疑義照会の根拠から確認。
薬剤師法の第24条でバッチリ定められていますね。
(処方せん中の疑義)
第24条 薬剤師は,処方せん中に疑わしい点があるときは,その処方せんを交付した医師,歯科医師又は獣医師に問い合わせて,その疑わしい点を確かめた後でなければ,これによつて調剤してはならない。
というわけで、疑義が解消されなければ調剤はできず、当然投薬もできません。
なので、医師が連絡が繋がらなかろうが、患者が怒り出そうが、薬を渡さないのが正解となります。
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A. 勤務時間やシフトの不満
B. 業務内容の不満
C. 人間関係の不満
D. 給与面の不満
患者に時間がかかる旨をあらかじめ説明
実際に疑義が必要な処方箋が来たとき、患者さんとコミュニケーションを取ることが必要。
門前の馴染みのクリニックであれば、だいたいどれくらいで返事がくるかとか予想でき、それが通常の待ち時間と変わらないような状況であれば、疑義を伝える必要はないかもしれない。
しかし、疑義の回答がどの程度でくるかわからないクリニックや病院、というか開院しているのかすらわからない場合は、まずは患者さんに処方箋の内容で確認が必要な点があることを説明するのが良いでしょう。
ここの塩梅もなかなか気を使うところであり、疑義をした結果何も変わらないケースも想定しておく必要がある。なので、よほどの内容じゃない限り、処方箋の内容が間違っているとは言い切らない方が良いケースが多い。
そして、患者さん伝いに医師にクレームがいかないよう、医師を悪者に使用内容な言い方も求められる。
いずれにしても、処方箋に確認が必要な点があって、少し時間がかかるかもということをなるべく早めに患者さんに伝えるのが重要。これで後々の対応がめんどくさくなる可能性が減る。
ちなみに時間がかかる可能性がある旨を伝えると、一回帰るというパターンも結構ある。
その場合、まずは繋がるかだけでも確認するまで待ってもらうのが良い。最低限、疑義の折り返しにかかる時間やそもそも休診日でないか、またはすぐその場で回答をもらえるケースもあるため、医療機関側に最低一回連絡が着くまで、患者さんにいてもらうのがベスト。
疑義照会で医師に繋がらない時の対処法の具体例
本題です。
もしかしたら、この記事を読んでいる人は医師に繋がらなくてすでに焦っている、という状況の人もいるかもですね。
医師に繋がらないパターン別にベストではないかもしれませんが、ベターくらいな対処法をまとめておきます。
クリニックがお昼に入ってしまったり、閉院してしまった場合
クリニックの場合はこのパターン結構ありますよね。
この場合は、さほど難しくはないと思う。
正直に患者さんに伝えて、患者さんの方にも多少原因があること(来局するが遅かったこととか)を遠回しに伝えたりするのが良いかも。
連絡が取れるタイミングを確認して、その頃にまた来てもらうか、処方箋を預かって、連絡が着いたらこちらから連絡を入れるとかが現実的な解決方法でしょう。
ちなみに、どうしても手に負えないような患者さんの場合、門前の薬局だと、他の薬局にはない連絡手段(医師への直電とか)があったり、パターンごとに約束的に疑義なしで解決できるケースとかもあったりするので、埒があかない場合は、門前の薬局に行ってもらうことも提案したことあります。
特に、同一成分の別薬剤に変更の疑義とかは、門前なら恐らく薬が揃っているだろうから疑義が必要ないでしょうしね。
病院の医師の外来が終わってしまっている
大きい病院だと、このパターンありますよね。
外来の時間がきまって、今日はもう先生帰りましたってやつ。次の日くればまだマシだけど、最悪次は来週ですみたいな(笑)。
大抵の病院は同科の医師や、簡単な内容なら薬剤部とかでも直で回答くれたりするけど、たまに全然融通が聞かない病院もある。
その場合は、電話口の事務さんに本気で状況を伝えます。連絡が取れないと患者さんに薬が渡せない、健康状態が悪化してしまう可能性がある、どのような手段でも構わないから、医師もしくはその代理となる方に連絡を取りたい、薬剤部などでも回答がもらえるなら構わないなど、もうガンガン攻めます。
理由は、これをやらないと本当に何も進まないから。もうその病院からクレームが来ようが、こちらは法律に沿った正しいことをしているという自負をもってやるしかない。
実際にそれが最終的には患者さんのためになるし、自分のためになると思うし。
このパターンの場合は、とにかく粘るのが重要だと思う。
折り返し連絡もらそうだけど、どれくらい時間がかかるかわからない場合
なんとか連絡はつきそうだけど、いまいちどれくらいで折り返しの連絡がもらえるかわからない場合。
この場合も患者さんに正直に状況を伝えて、どうしたいかを決めてもらうのが良いと思う。
こちらから提案するパターンは連絡がついたタイミングでこっちから連絡する、というのが一番無難な気がする。
FAXでの疑義照会の場合
最近増えているケース。FAXしか受け付けないパターン。
正直、連絡がついているのかついていないのか、判断すら難しいことがある。
これも患者さんにFAXでしかやり取りできない旨を伝えて、まってもらうか、こちらからまた連絡するとかを提案するしかないと思う。
自分はFAXの場合は、疑義内容の他に、患者さんの状況とかも伝えるようにする。薬局で待たれているので、お早めにご連絡いただけると幸いです、とか、お時間がかかりそうな場合は、その旨だけでも先にご連絡いただけると幸いです、とか、一緒にFAXしてしまう。
FAXである点を逆に利用して、電話だと言いにくいことも色々書いてやってます。
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