水剤の調剤方法と注意したい配合変化

01 薬剤師実務

水剤の調剤に関する方法と、注意したい主な配合変化をまとめました。

水剤の調剤方法

水剤を調剤するときはの流れはだいたい以下の通り。多少順番前後しても良いものある。

  1. 処方監査
  2. 水剤の計量数の計算
  3. 投薬瓶の選択
  4. 計量、混合、賦形
  5. 計量カップ等に一回量記載
  6. ラベル作成、貼付
  7. 監査、投薬

1.の処方監査は水剤は特に重要。なんせ、水剤は混ぜるともはや取り返しがつかないので。

小児の場合は特に体重あたりの量で監査するのと、配合変化の有無や、他剤との併用可否等についても確認しとく必要がある。

薬剤によっては、シロップも濃度が違う複数の規格があるものがあるので注意。アスベリンとか。

2.水剤の計量数の計算は日常的にやっている分にはそうそう間違えないでしょうが、たまにやったり、普段使ってない薬剤だと要注意ですね。

まずは1日量を確認して、混合する場合には混合した後の1日量をだして、用法の回数で割る。これが整数でなければ賦形するのが一般的。賦形は単シロップが多いのかな、、、最近は水道水でも良いという話も聞くし、精製水使っているところもあると思う。その辺は薬局の決まりに従うべし。賦形の量も含め、各薬剤の1日量とトータル処方日数量をメモ用紙とかに書いておく。

3.投薬瓶の選択は全量が入りきる容器のうち、最小のもを選択するのが一般的。110mLとかを100mLボトルとかに入れる薬局もあると思うのでその辺は要確認。

4.投薬瓶選択したら実際に計量して混合。投薬瓶とメートグラスを洗う。アスベリンシロップとかの懸濁剤はよく振ってから計量。メートグラスは目線の高さで計り取る。界面張力でできる曲面のメニスカスの一番下を基準に目盛りと一致しているか計る必要あり。

秤量はメートグラス使うのが基本だけど、単剤の場合は投薬瓶に移すだけなので、この場合は投薬瓶の目盛りで計りとったりしている薬局もあると思う。投薬瓶の目盛りは正確じゃない可能性があるから、本当はダメと言われているけど、正直そこまで誤差がある投薬瓶は近年ないでしょうし。

ちなみに水剤は患者さんが計って使用するので、こっちでも誤差がある可能性を考慮すると、少し多めに調剤してあげるのが良いと思っている。混合の場合はもちろん比率が変わらないよう心がける必要があるが、単剤とかの場合は、1割増しくらいで計量しておいてあげても良いと思う。

5.計量カップ等に一回量を記載する。もちろんスポイト希望ならスポイトに。

6.ラベル作成、貼付は監査の時に一緒にしてるケースも多い。自分は字が下手なのでラベル作成は事務さんに任せています。

7.監査するときには全量が間違っていないかはもちろん、よく知っている薬剤であれば、匂いや色も確認している。あとは、調剤した時のメモ用紙の確認。蓋がゆるいこともあるのでそれも確認。ラベルの記載内容も確認。ラベルは一応、目盛りが隠れいないように貼ってるかな、、、患者さんはそんなことは気にしていないという気もしますが。

投薬の際は、1日量をいると混乱する可能性があるので、1回量だけを説明するのが良いでしょう。基本は冷所保存なので、その旨の説明。

よくどれくらいの期間保存できるかとか聞かれますが、水剤は多めに見積もっても1ヶ月くらいでしょうね。。。

あと、メジコンとかは色が濃いからうがい薬だと間違われることがある。理解の怪しい人には飲んでくださいと言っている。

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B. 業務内容の不満
C. 人間関係の不満
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水剤の調剤の例

実際に例をあげてみます。

1歳、体重10kg

Rp.1)

ムコダインシロップ5% 6mL
ムコソルバンシロップ0.3% 3mL
アスベリンシロップ0.5% 2mL
分3 毎食後 3日分

Rp.2)

ザイザルシロップ0.05%   5mL
分2 朝食後・就寝前 3日分

上記のような処方の場合は、以下のようなメモを作成

薬剤名

ムコダインシロップ5%
ムコソルバンシロップ0.3%
アスベリンシロップ0.5%
単シロップ

合計

ザイザルシロップ0.05%

1日量

6 mL
3 mL
2 mL
1 mL

12 mL

5mL

3日分

18 mL
9 mL
6 mL
3 mL

36 mL

15 mL

単シロップで1回量が4mLになるように調整しています。

ザイザルは1歳以上の小児だと分2。添付文書上だと朝食後・就寝前指定なので、朝夕食後とかできたら疑義が必要かな。

水剤で注意したい配合変化

水剤は配合変化に注意する必要がある。

水剤自体そんなに数が多くないので、自分の薬局でよくでるものだけ覚えておけば問題ないと思うが、一応、代表的なものをいくつかあげてみます。

割と注意が必要なのが、ポンタール、アスベリン、ビソルボン、ペリアクチンあたり。

アスベリンとポンタール、アスベリンとペリアクチンとかは沈殿することがある。ビソルボンはメジコンとかで沈殿することがる。

この辺は日数短ければ混ぜちゃうこととかもあるので、薬局の内規優先ですかね。

あとは、pHが離れているもの同士は配合変化が起きやすいので注意。pH低いものの代表はビソルボン、高いものだとブロチン・サリパラとかある。

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D. 特に問題になることはなかった

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