新規の抗ヒスタミン薬、ルパフィンは2018年12月1日から長期処方ができるようになりました。
新規の薬理作用をもつ薬なので、今年の花粉症シーズンあたりから本格的に処方が増えてくるであろう薬剤です。
その特徴や、類薬との比較(特にザイザル、デザレックス、ビラノアなどの比較的新し目の空薬と。)、服薬指導のポイントをまとめてました。
ルパフィンの特徴は強いけど眠くなる
ルパフィンの特徴は何と言っても抗PAF(platelet activating factor:血小板活性化因子)作
用もあるところでしょう。これが功を奏してなのか、もともとの抗ヒスタミン作用が強いだけなのかは正直わかりませんでしたが、今までの抗ヒスタミン薬の中でも効果はかなり強いようです。
しかし、眠気もけっこう出やすいという話をよく聞くので、アレロックとかジルテック的な位置付けになるのかと個人的には思っています。ただし、ルパフィンは服用時点の指定(食後とか就寝前とか)はなく、1回20mgまで増量することも可能であり、割と融通が効く印象です。
ちなみに抗ヒスタミン薬全体の比較記事もあるのでこちらもご参考に
抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬の使い分けと服薬指導|患者さんにどう説明する?
他の抗ヒスタミン薬との比較もしていきます。
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一年目で辞めてしまった薬剤師にアンケートを実施した結果、退職理由で最も多かったものはどれ?
A. 勤務時間やシフトの不満
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ルパフィンはザイザル、デザレックス、ビラノアと比べても最強クラス
ルパフィンの効果の強さと眠気の出やすさをもう少し掘り下げたいと思います。
宮崎県病院薬剤師会のサイトで、ルパフィンと比較的新し目の抗ヒスタミン薬、ザイザル、デザレックス、ビラノアと比較しているトピックがあります。
ここを参照してもやはりルパフィンの効果の強さはザイザルやビラノアをしのぐことがうかがえます。しかし、それと同時に眠気も結構でそうな特徴がありそうです。
ルパフィンの服薬指導は1日1回、眠気、アルコールとグレープフルーツジュースを注意喚起
ルパフィンの服薬指導は、1日1回で服用時点の指定はなし。食後でも食前でも寝る前でもOK。
前述の通り眠気がでるので、自動車等機械類の運転はNG。ちなみに臨床試験の眠気の頻度は9.3%。
アルコールの併用は中枢神経系抑制の可能性から併用注意。患者さんには基本は避けてもらうよう伝える。
グレープフルーツジュースもCYPの関係から避けてもらうのが無難。
作用機序などや今までの薬との違いを聞かれたら、いままでの薬にないプラスαの抗アレルギー作用がある位を言ってみる。さらに突っ込んできたら抗血小板活性化因子(抗PAF)作用をもつ、とはっきり言いましょう。
ルパフィンは投薬制限が解除されたので長期処方が可能
ルパフィンは2017年11月発売。2018年11月までは投薬日数制限があり14日処方までだったが、2018年12月から解除され長期処方が可能になりました。
したがって、28日や30日処方が来ても疑義の必要なし!
メーカー側からすると2019年の花粉症シーズンが勝負という感じですかね。
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