抗リウマチ薬(DMARD、免疫抑制薬、JAK阻害薬)の一覧と服薬指導のまとめ

11 抗炎症・アレルギー

抗リウマチ薬について、調剤薬局でも処方がよくあるDMARDに焦点を当ててまとめました。

NSAIDs、ステロイド、生物学的製剤は今回は割愛しています。

抗リウマチ薬(DMARD)の一覧

NSAIDs、ステロイド、生物学的製剤を除いた、主な抗リウマチ薬をまとめると以下の通りです。

分類 成分名:一般名 主な製品名
DMARD メトトレキサート リウマトレックス、メトレート
サラゾスルファピリジン アザルフィジンEN
レフルノミド アラバ
イグラチモド ケアラム
ロベンザリット カルフェニール
アクタリット オークル、モーバー
ブシラミン リマチル
ペニシラミン メタルカプターゼ
金製剤 オーラノフィン リドーラ
金チオリンゴ酸ナトリウム シオゾール
免疫抑制薬 タクロリムス プログラフ
JAK阻害薬 トファシチニブ ゼルヤンツ
バリシチニブ オルミエント

メトトレキサート(リウマトレックス・メトレート)の用法と服薬指導のポイント

メトトレキサート(MTX)は関節リウマチ(RA)の治療薬の中でもかなり重要な位置を占める。

アンカードラッグとして位置付けられており、まずはメトトレキサートからというケースも多い薬。

用法にはかなり特殊で、1週間単位での使用となる。

通常、6mg(3カプセル)から開始するが、これを1〜3回に分割して使用。分割の場合は12時間間隔のため、3分割の場合は、2日間に渡っての使用となる。1週間のうち、残りの5〜6日は休薬することになる。

効果や副作用を見ながら増量することが多いが、最大でも16mg(8カプセル)となる。

主な製品はリウマトレックスカプセル2mgの他、ジェネリックでメトトレキサートカプセル2mgの他、錠剤もあり、メトレート錠2mgと各社のメトトレキサート錠2mgがある。メトレートも分類としてはジェネリック扱い。

RAに対する用法用量の詳細は以下の通り。

関節リウマチ
通常、1週間単位の投与量をメトトレキサートとして6mgとし、1週間単位の投与量を1回又は2〜3回に分割して経口投与する。分割して投与する場合、初日から2日目にかけて12時間間隔で投与する。1回又は2回分割投与の場合は残りの6日間、3回分割投与の場合は残りの5日間は休薬する。これを1週間ごとに繰り返す。
なお、患者の年齢、症状、忍容性及び本剤に対する反応等に応じて適宜増減するが、1週間単位の投与量として16mgを超えないようにする。

リウマトレックスカプセル2mg 添付文書

同じ成分を含む薬剤として、メソトレキセート錠などもありますが、こちらは主に白血病での使用。RAの適応はなし。

メトトレキサート使用時の服薬指導のポイントとして、イレギュラーな服用方法となるため、必ず決められた日に飲むように指導する。

フォリアミン(葉酸)を併用するケースも多い。通常MTX服用後、24〜48時間後の使用が多い。なぜ葉酸を使うのか聞かれた場合は、MTXによる葉酸欠乏によって引き起こされる肝機能異常、骨髄抑制、口内炎や嘔気などの消化器症状を改善する目的と患者さんに伝えるのが良いかも。サプリメントでも葉酸を含むものが増えているのでこの点は注意喚起しても良いかも。

恐るべきはやはり間質性肺炎、骨髄抑制、感染症など。

息苦しさや風邪のような症状、過度の口内炎などには十分注意するよう伝えるべき。

併用禁忌はなし。目ぼしい併用注意もあまりない印象。ただ、薬が薬なだけに自己判断の併用は避けるよう注意喚起はしといたほうが良いかも。

メトトレキサート(リウマトレックス・メトレート)のハイリスク加算(特定薬剤管理指導加算)

メトトレキサートはハイリスク薬加算の対象となる薬剤でしょう。

継続的に確認する事項としては、服用方法の遵守状況は当然のところ。

あとは副作用の兆候はチェックしておきたいところ。

具体的には、風邪のような症状(感染症の初期症状)の有無、息苦しさ(間質性肺炎の初期症状)などの有無、口内炎や吐き気の有無などは薬剤師としても定期的にチェックしたいところ。

臨床検査値の検査結果を持っている場合は、肝機能(特にASTやALT)やWBCとかは見ておきたいですね。

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