ペンタサ、アサコール、リアルダ等のメサラジン製剤について、一般名や使い分けなどについてまとめました。
メサラジン製剤の一般名と一覧
潰瘍性大腸炎やクローン病のIBDに使われるメサラジン製剤の一覧をまとめると以下のような感じ。
一般名、成分名 | 先発の製品名 | 代表的なジェネリック |
【般】メサラジン錠250mg | ペンタサ錠250mg | ペンタサ錠250mg |
【般】メサラジン錠500mg | ペンタサ錠500mg | ペンタサ錠500mg |
【般】メサラジン腸溶錠400mg | アサコール錠400mg | メサラジン腸溶錠400mg |
メサラジン腸溶錠1200mg? | リアルダ錠1200mg | なし |
【般】メサラジン顆粒50% | なし | メサラジン顆粒50%「AKP」 |
メサラジン顆粒94%? | ペンタサ顆粒94% | なし |
【般】メサラジン注腸剤1g | ペンタサ注腸1g | メサラジン注腸1g「JG」 |
メサラジン坐剤1g? | ペンタサ坐剤1g | なし |
一般名の処方がきてもそこまでわかりにくくない。
250mgと500mg、さらに顆粒や坐剤、注腸はすべてペンタサとそのジェネリック。400mgの腸溶錠であればアサコールとそのジェネリック。今の所ジェネリックはないが、腸溶錠の1200mgであればリアルダ、ということになる。
とりあえず内服は全てmgが違っているので間違わないでしょう。少なくともデパケンとセレニカとか、ニフェジピンのCRとLとかほどややこしくない。
ただし、顆粒は少し注意が必要かも。先発のペンタサは94%、唯一の顆粒ジェネリックであるメサラジン顆粒50%「AKP」は50%顆粒。
もし「メサラジン顆粒」という処方がきたら(ないとは思うが、、、)、疑義が必要か。
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メサラジン製剤の使い分け
みなさんご存知かと思いますが、一応使い分けの振り返り。
ペンタサの錠剤は徐放錠で徐々に有効成分を放出。粉砕不可。1日1回〜3回で使う。基本は食後使用。潰瘍性大腸炎のみならず、クローン病にも適応がある点はアサコール、リアルダと事なる。
ペンタサの顆粒も基本は錠剤と同じ使用。
ペンタサの注腸と坐剤はもっぱら潰瘍性大腸炎に使用。正直、注腸はかなり使いにくいと思っているが、昔から使っている人は抵抗ないのか、今でもたまに使用している人がいる。
アサコールは腸溶錠で、pHによって溶出する製剤であり、クローン病は適応なしで潰瘍性大腸炎のみの適応。1日6錠分3が一般的な処方だが、9錠まで増量するケースあり。3錠/日の処方も見た事あるかな。こちらも粉砕不可。
リアルダはアサコールの特徴であるpH溶出に加えにさらにペンタサの特徴である徐放性を加えた感じのもの。1日1回でOKというのが特徴。こちらもクローン病は適応なしで専ら潰瘍性大腸炎に使用。
通常は2錠だが、添付文書上は4錠/回までいけるよう。当然粉砕不可なのと、なぜか冷所保存。一応理由は溶出性が上がるためとの事。試験結果見ると30℃でもそこまで致命的ではない感じ。まぁもちろん冷所保存守るけどね。。。
使い分けとしては、クローン病ならペンタサ一択。
潰瘍性大腸炎には最近はペンタサよりも大腸を得意とするアサコール、リアルダが多い印象。
ただし、錠剤が飲みにくい場合、顆粒があるのはペンタサ。アサコール・リアルダともに粉砕不可。
1日3回のコンプライアンス守れない人は1日1回のリアルダが向いている。
薬価はアサコールの3錠分とリアルダ1錠分がほぼ同じだから、経済的には変わらない。ただし、アサコールはジェネリックがあるがリアルダはない。
メサラジン製剤以外のIBD治療薬
サラゾピリン(サラゾスルファピリジン)は近年はそこまで使われていない印象。
アザチオプリンではイムランとアザニン。
生物学的製剤やJAK阻害まで使う人は、街の薬局にいるとそんなに多くない。
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