近年は、レクタブルの登場などもあり、一時期よりは使用が減っているペンタサ注腸ですが、潰瘍性大腸炎の活動期などでは今でも使われることがあります。
使い方がやや複雑な注腸剤について、使い方と服薬指導のポイントをまとめました。
ペンタサ注腸の効能効果と用法用量
まずは基本的なところを確認していきます。
効能・効果は「潰瘍性大腸炎(重症を除く)」となっています。
用法用量は「通常、成人には1日1個(メサラジンとして1g)を、直腸内注入する。なお、年齢、症状により適宜減量する。」となっており、原則は1日1個です。
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ペンタサ注腸の使い方|指導箋から服薬指導のポイントを
本題のペンタサ注腸の使い方です。
まず同封されているものは、以下の5点。
・注腸容器
・ノズル延長用カテーテル
・ストッパー
・ポリ袋
・説明書(指導箋)
ちなみに説明書は1箱7個入りに対して、1枚しか同封されていないので、7個以下で調剤するときは、コピーして使った方が良いかも。
その他の同封されているものとして、メインの注腸容器以外は、無理に使わなくても良いもの。
ノズル延長用カテーテルとストッパーは、肛門に入れるノズルが柔らかくて細い方が良い人用のためであり、注腸容器に付属のノズルで問題なければ無理に使わなくてOK。
ポリ袋は薬液が漏れたとき用のもの。こちらも無理に使う必要はない。
手順としては以下の通り。
①必要に応じて注腸容器の温め
②必要に応じて注腸ノズルやカテーテルへ潤滑油の使用
③必要に応じてカテーテルの装着、ストッパーはメモリ4〜6を目安に
④注腸の懸濁
⑤注腸容器の開栓、360度回転させる
⑥注腸の持ち方確認、ノズルの先端が手首側、直腸が背中側に伸びているイメージ、必要応じてポリ袋を装着
⑦挿入時の体位に、左腰を下にする、S状結腸側に薬が届くように
⑧薬液の注入、ゆっくり慎重に挿入、1分程度を目安に注入、容器を握りしめたまま引き抜き
⑨必要に応じて体位変換、医師の指示どおりに、左下→腹ばい→左下→仰向け→右下を各1分ごとに
服薬指導のポイントして、以下の点も説明すると良いかも。
・薬液をできるだけ長い時間大腸に保持しておくことが重要
・無理せず保持できる液量から開始でOK
・事前に排便を済ませておく
・入浴後や就寝前などに注入するのが一般的
・朝の排便時に残った注腸液が排泄されるのは問題なし
・光の影響を受けるので、使う直前にアルミ袋から出す
ペンタサ注腸の禁忌と併用注意
禁忌と併用注意の確認も。
禁忌は重篤な腎障害患者と重篤な肝障害患者。あとはペンタサそのものやサリチル酸エステル類・サリチル酸塩類で過敏症の既往歴の場合。
併用注意は利尿剤、ステロイド剤、アザチオプリン、メルカプトプリン。
ペンタサ注腸自体が局所なので、実際には併用してもそこまで影響がでることは考えにくいと思う。
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