PPIとタケキャブの違いや使い分けと一覧|H2ブロッカーとの使い分け、併用についても

05 消化器

PPIとタケキャブの違いや使い分けや一覧についてまとめています。

また、H2ブロッカーとの使い分けや併用についても併せて確認していきます。

タケキャブとPPIの一覧

現在使われているPPIとタケキャブを一覧にすると以下の通り。

分類 一般名(成分名) 主な製品名
PPI オメプラゾール オメプラール、オメプラゾン
ランソプラゾール タケプロン
ラベプラゾール パリエット
エソメプラゾール ネキシウム
P-CAB ボノプラザン タケキャブ

PPIとタケキャブの使い分け

タケキャブとPPIの使い分けは、一般的にタケキャブの方が酸分泌抑制作用が強いとされ、遺伝子多型による影響も少ないとされている。

PPIの中の使い分けでは、オメプラゾールは第一選択にはならなくなってきている。改良製品と言えるエソメプラゾールが発売されたのと、遺伝子多型のより個人差が大きいとされている。ただし、ジェネリックが販売されており、その薬価がやすいという点はメリットのひとつ。

エソメプラゾールはオメプラゾールの単一光学異性体であり、遺伝子多型による個人が少ないのと、小児の適応、顆粒がある点が特徴と言える。

ランソプラゾールはOD錠があるため、製剤のメリットから嚥下困難などので使われるケースもある。作用としては、オメプラゾールとさほど変わらない印象。こちらもジェネリックが安価で販売れているため、その点は有用。

ラベプラゾールはランソプラゾールよりも酸分泌抑制作用が強いと考えられている。分2の用法を持っている唯一のPPIであり特徴と言える。ジェネリックも販売されているが、オメプラゾール、ランソプラゾールよりもやや高額に設定されている印象。

PPI・タケキャブとH2ブロッカーの使い分け

近年は第一選択はまずPPI・タケキャブ。効果もこちらの方が強い。

ただし、以下のような場合はH2ブロッカーが選択されることも多い。

・副作用でPPI、タケキャブが使用できない時
→PPI、タケキャブで副作用を経験している場合は、H2ブロッカーを使用することがある。

・PPI、タケキャブの投薬期間を超えた場合
→PPI、タケキャブは対象疾患に応じて4週、6週、8週など投与期間の制限が設けられている。この期間を超える場合、H2ブロッカーで維持をするケースがある。

・肝機能障害時
→PPIは肝機能障害で代謝の影響が大きいため、H2ブロッカーを用いるケースがある。

・ピロリ除菌判定を行う場合
→PPIは除菌判定で偽陰性を生じさせる可能性があるため、この間はPPIでなく、H2ブロッカーを使う、というケースがある。

・夜間の酸分泌亢進を抑制したい場合
→夜間はプロトンポンプの活性が抑えられるため、H2ブロッカーの方が向いているケースがある。

PPI・タケキャブとH2ブロッカーの併用

PPI・タケキャブとH2ブロッカーの併用は、近年は原則不可になったと言って良い。

社会保険診療報酬支払基金より、保険請求の審査では、H2ブロッカーとプロトンポンプ阻害薬(PPI)の併用投与は原則として認めないことなどを明示しており(m3.com H2ブロッカーとPPIの併用不可に)、おそらくレセプトが切られてしまう可能性が高い。

消化器専門の先生の中には、PPIの夜間効果減弱を補うため、H2ブロッカーを併用するというケースもあるが、前述の引用文の中に、これについてもダメという記載がある。

もし、併用の処方を見た場合は、、、疑義の上、どうしてもそのままということなら医師からの指示という内容のレセプトコメントつけて請求するしかないかもですが。。。

異なる病院、クリニックでそれぞれPPI、H2ブロッカーが出ているケースもよく見る。基本はどちらか片方にしてもらうべきだが、これもそれぞれの先生が譲らないケースや、併用して良いという医師判断も中にはあるため、一辺倒に併用しないよう患者に指導するのではなく、医師の指示や意向を確認した上で、患者さんに伝える必要があるかも。

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