リリカに続く末梢性神経障害性疼痛薬として、タリージェが登場しました。
作用機序などの特徴、リリカとの違いなどを見てきます。
タリージェの特徴
一般名はミロガバリン。この時点でリリカ(プレガバリン)の類薬ということがわかる。
用量を徐々にあげてくという特徴もリリカと同様。ただし、到達点は15mgなので、初回用量の3倍。この点はリリカよりも到達点が高い。
1日2回という点もリリカと同様ですね。
タリージェ錠の用法用量
通常、成人には、ミロガバリンとして初期用量1回5mgを1日2回経口投与し、その後1回用量として5mgずつ1週間以上の間隔をあけて漸増し、1回15mgを1日2回経口投与する。なお、年齢、症状により1回10mgから15mgの範囲で適宜増減し、1日2回投与する。
ちなみに適応は「末梢性神経障害性疼痛」のみ。
リリカは「神経障害性疼痛、線維筋痛症に伴う疼痛」なので、リリカの方が中枢性の疼痛、線維筋痛症に使えるというメリットがある。
でも、多分タリージェも後に「末梢性」だけでなくなって、中枢性もいけるようになる可能性は結構あると思う。
タリージェ錠…規格多くない?
ちなみに、タリージェ錠の規格多すぎです。
2.5mg、5mg、10mg、15mgのいきなり4種展開。
薬局困るでしょこれ。勘弁してくだせい。
まぁ5mgさえあれば全部いけるので、5mg必須ですかね。割線もあるし。
ちなみに個人的な心配ですが、将来、OD錠でたりしないよね?いや、大抵こうゆう心配すると発売される。もうパニックですわ。。。
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タリージェ錠の作用機序
シナプス前終末におけるα2δユニットに対して結合し、カルシウムイオンの流入を抑制することで、興奮性神経伝達物質の放出を抑制する、とのこと。インタビューフォーム参照。
というわけで、大まかな作用機序はリリカと一緒。
ただ、タリージェは神経障害性疼痛に特に関連が高いα2δ-1サブユニットに対して特異性が高い特徴があるようであり、ここら辺がリリカとの差別化のキーになるのかも。
タリージェの副作用
5%以上が傾眠、めまい、浮腫。
傾眠、めまいは予想通りとして、浮腫の頻度が高いのはリリカと違う気がする。
あとは、リリカで出る視力障害は今のところ記載なし。今後追記される可能性はある気がする。
タリージェ錠の発売日と長期処方制限、解禁は
タリージェの発売日はまだ未定。
ただし、薬価はすでに2019.02.26に収載されている。
通常、薬価収載されれば1〜2ヶ月に発売することが多いので、2019年4月〜5月には発売されるでしょう。
2019.5.12追記
タリージェの発売日は2019年4月15日となりましたね。
当然、新成分なので1年間は14日処方までです。
長期処方の解禁はルール通りに行くと、2020年5月1日になりそうです。
タリージェ錠の薬価
タリージェの薬価は以下の通り。
規格 | 薬価 |
タリージェ錠2.5mg | 78.0 |
タリージェ錠5mg | 107.7 |
タリージェ錠10mg | 148.7 |
タリージェ錠15mg | 179.6 |
リリカは以下の通り
規格 | 薬価 |
リリカ25mg | 66.9 |
リリカ75mg | 111.5 |
リリカ150mg | 153.4 |
標準の維持量を一番安い薬価で比較すると、タリージェは15mgを2錠なので359.2円、リリカは150mgを2錠(カプセル)なので、306.8円。
まぁ薬価設定のルールからして、類薬なのでそんなに変わんないよね。
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