2020年(令和2年)の調剤報酬改定について、今回は服用薬剤調整支援料2を確認していきます。
服用薬剤調整支援料2が新設|点数は100点
2020年(令和2年)の調剤報酬改定の新設項目として、服用薬剤調整支援料2も新たに追加となっています。(厚生労働省 中医協総-1 2.1.29)。
調剤報酬点数表ではその点数が100点であることが明記されました(別紙1-3 調剤報酬点数表)。
完全に忘れ去られつつある服用薬剤調整支援料でしたが、今回の服用薬剤調整支援料2が新設されたことにより、少し難易度が低くなったかな、という印象です。
短冊に記載されている要件は以下の通り。
複数の保険医療機関より6種類以上の内服薬(特に規定するものを除く。)が処方されていたものについて、患者若しくはその家族等の求めに応じて、当該患者の服用中の薬剤について一元的把握を行った結果、重複投薬等が確認された場合であって、処方医に対して、当該重複投薬の状況が記載された文書を用いてその解消等に係る提案を行ったときは、3月に1回に限り所定点数を算定する。
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服用薬剤調整支援料2の算定要件をまとめると
服用薬剤調整支援料2の要件をわかりやすくまとめると以下の感じですね。
・合計6種類以上の内服薬(おそらく頓服や外用は除く)
・患者若しくはその家族等から求めがある
・該当患者の服用薬剤の一元的把握をする
・何かしらの重複投薬等がある
・処方医に状況を記載した文書を用いて重複解消を提案
・3ヶ月に1回算定可
・結果として処方削除はなくても良い?
こんな感じですかね。
素直に文章を読むと、複数の医療機関に渡る重複投薬を解消する目的なので、単一医療機関での重複は対象外と読めますね。
合計6種類とのことなので、この点のハードルはそこまで高くない印象。
患者の求めが必須なのはまぁ当然ですかね。
一元的把握は、他にも併用薬がないか確認すれば良いだけなので大したハードルではなし。
問題は何をもって「重複投薬」と判断するかですね。
複数の医療機関で全く同じ薬が出てたら、それは文書で報告するとかじゃなく、疑義照会しますよね。
他にも例えば片方でロキソニン、もう片方でボルタレンが出てたら、これも疑義する気がしますね。頓服は恐らくこの算定の対象外になりそうですし。
片方でアローゼン、もう片方でプルゼニドとか出てる場合ですかね。個人的にはこれも疑義する気がしますが、本人がその場ではもらっておくとか言った場合に後で文書で報告したりするのが現実的なところなのでしょうかね。
どうも上手い例が浮かびませんが、本来、重複投薬相互作用等防止加算で取るようなところを、後日の対処でする場合はとかが対象になるのか。。。考えるとあまり良いケースがない気がしてきました。。。
まぁ3ヶ月に1回しか算定できないとしているところから考えると、新設した側もあまり頻繁に算定する調剤報酬とは考えてないのかもしれないですね。
ちなみにあくまで提案の算定と記載されているので、結果として実際に処方が削除されなくても算定できそうです。
従来の服用薬剤調整支援料との違い
従来の服用薬剤調整支援料は服用薬剤調整支援料1に名称が変わって残ります。
点数は125点のまま。
今回新設された服用薬剤調整支援料1と服用薬剤調整支援料2の違いは以下の通り。
服用薬剤調整支援料1 | 服用薬剤調整支援料2 | |
点数 | 125点 | 100点 |
医療機関数 | 単一の医療機関で構わない | 複数医療機関での処方 |
処方数の減少 | 2種類以上の減少が必要 | 不要?(提案のみ) |
算定可能な頻度 | 1ヶ月に1回 | 3ヶ月に1回 |
服用薬剤調整支援料2はやはり従来の服用薬剤調整支援料1とは少し毛色が違うものですね。
服用薬剤調整支援料1はやはり実際に2種類以上の処方削除が必要となるため、ここがかなりのハードルです。
一方で服用薬剤調整支援料2は実際の処方削除は待たずに提案だけで良さそうなので、この点だけ考えると、算定のハードルはそこまで高くないです。
しかし、前述の通り、具体例を考えると、あまり良い例が思いつかないため、事例があれば算定しやすいですが、実際に算定する機会はあまり多くはなさそうという印象。
この算定件数が、地域支援体制加算の必須項目とかになってくるのか、その辺りがまた注目ですね。
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