保険薬局が調剤時に残薬を確認した場合の対応:チェックがあったらどうする?減数調剤との違い

平成28年の診療報酬改定から、処方箋の備考欄に「保険薬局が調剤時に残薬を確認した場合の対応」のチェック欄が新設されています。

この欄にチェックがあった時の対応、そして平成30年の改訂ではさらに減数調剤の概念の追加されています。

これらについて確認していきます。

保険薬局が調剤時に残薬を確認した場合の対応:保険医療機関へ疑義照会した上で調剤

備考欄の保険薬局が調剤時に残薬を確認した場合の対応のうち、「保険医療機関へ疑義照会した上で調剤」にチェックが入っていた場合の対応について。

この場合は、以下のような流れとなります。

①患者さんに残薬の有無を確認する

②処方医に疑義照会を行い、残薬数を考慮した日数への変更を提案する

③処方医の了解が得られた日数で調剤を実施

正直、今まで実施いていることとさほど変わりありません。

薬剤師が自発的に残薬を確認をするのではなく、医療機関からの指示で残薬を確認する、という点の違いです。

医療機関からの指示なので、疑義照会の際にある程度話が通りやすくなっているかもしれませんが、自分の経験上は別にそうゆう感覚もないですね。

というか、ほとんどここにチェックが入っている処方箋は見ないですね。

ちなみに「保険調剤Q&A じほう」にこのチェック欄のことについてわかりやすい解説があります。

❕付録:薬剤師クイズ 〜疑義照会が必要かも〜❕

70代男性、以下の継続処方あり。

Rp.1)ジャヌビア50mg 1錠
分1 朝食後     30日分
Rp.2)アジレクト1mg 1錠
分1 朝食後     30日分
Rp.3)アミティーザ24μg 2cap
分2 朝夕食後    30日分

主訴)
・便秘はまだ続いている。薬続けて様子みるよ。
・腰も痛い状態が続いてて、整形で痛み止めのカプセルが追加になった。
・最近トイレに起きる回数が多くて。尿が出るのも少し時間がかかるかな。

上記の患者さんで疑義照会が必要な可能性があります。

保険薬局が調剤時に残薬を確認した場合の対応:保険医療機関へ情報提供

備考欄の保険薬局が調剤時に残薬を確認した場合の対応のうち、「保険医療機関へ情報提供」にチェックが入っていた場合の対応について。

この場合の流れは以下の通り。

①患者さんに残薬の有無を確認する

②疑義照会は行わず、処方箋に日数の通りに調剤

③後ほど処方医に残薬の情報を提供する

薬局の方で残薬を確認して、知らせて欲しいという指示ですね。この情報提供に基づいて、次回、医療機関の方で処方日数を調節する意図があるということでしょう。

ちなみに、迷うの点は、患者さんに残薬を確認した時点で、患者さんが今回の処方日数を減らしたいと言ってきた時。

医療機関は残薬を報告して欲しいという指示であり、今回の処方に関しては疑義照会を望んでいないとも考えられる。

正直、このようなパターンは今の所経験がないが、もし出くわした場合、自分なら患者さんを説得して疑義照会しないことを選ぶ気がする。「次回、先生が残数分を考慮した日数にしてくれると思います」的なことを伝えて。

というのも、敢えて医療機関が疑義照会でなく、情報提供を指示しているので、これを無視して疑義照会するとご機嫌を損ねる可能性があるので。考えすぎかもしれませんが。

もちろん、患者さんがどうしても今回の時点で日数を減らして欲しいと強い要望があれば、疑義照会するのがあるべき姿だと思うので、状況にもよりますね。

何れにしても、このチェック欄では、あまり残薬解消には役立たないのではと思うところ。実際、運用されている処方箋はあまり見ない。

そこで新たに平成30年の改訂では、「減数調剤」という概念が出てきたのだと思っている。

減数調剤とは

前述した「保険薬局が調剤時に残薬を確認した場合の対応」とは別に、処方箋の「備考」欄に残薬分を差し引いた調剤を行うよう指示があった場合に、日数を調整して調剤すること。

疑義照会も不要で、今回の処方に対して薬剤師の裁量(もちろん残薬数に基づきますが)で日数を変更できるという意味では画期的なシステムと言えますね。

ただし、以下の2点が必須となります。

①患者に対し、次回受診時に処方医への残薬の状況を報告するよう促すこと

②処方医に対し、患者の残数の状況や実際に交付した薬剤数量などを遅滞なく情報提供すること

通知に上記の内容が明記されています(平成30年3月5日 保医発0305第1号 別添3)。

 

まぁ当然といえば当然ですね。

ただし、このような指示がある処方箋も実際にはあまり見たことがなく、正直、浸透されているとは言いがたい状況ですね。これからに期待です。

ちょっと気になるのは、残薬がものすごい量であった場合に、0日調剤(実質の処方削除)は可能なのかとか、日数調整して調剤した場合に、医師側のレセプトはどうなっているのか、、、今の所よくわからないです。

今後この減数調剤の概念が浸透すれば、薬剤師が残薬削減に大きく貢献できる可能性があるので流行って欲しいですね。

「保険薬局が調剤時に残薬を確認した場合の対応」と「減数調剤」まとめ

最後にまとめです。

・「保険薬局が調剤時に残薬を確認した場合の対応」のうち「保険医療機関へ疑義照会した上で調剤」にチェック→残薬を確認後、疑義照会して日数調整する

・「保険薬局が調剤時に残薬を確認した場合の対応」のうち「保険医療機関へ情報提供」にチェック→処方箋のまま調剤して、後ほど残薬の状況を医療機関に報告する

・備考欄に「減数調剤」の指示→残薬を確認後、日数を調整して調剤、後ほど医療機関に日数調整して調剤した旨を連絡、患者さんにも次回受診時残薬の状況を報告するよう指導する

ちなみにじほう社のwebでも公開している資料が結構わかりやすいです。

平成30年度調剤報酬改定 覚えておくべきポイント-その4-

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