薬剤師で転職を繰り返すことを避けるために

1. 転職・職場

今回は、薬剤師で転職を繰り返すことについて考察してみたいと思います。

転職を繰り返すのはやはり避けるべき

この記事を見ている人は、転職を検討しているというケースが多いかと思います。

転職をするにしても、また次の職場でうまくいかず転職を繰り返すことになるかもと不安であったりする人もいるかもしません。

また、すでに転職の経験があり、また転職をすることをためらっているケースかもしません。

いずれにしても、転職を繰り返したくないという思いがあるのではないでしょうか。

この点については私個人としても同じ思いであり、正しいことだと思います。

以前に採用を担当していた時期がありましたが、その際、薬剤師の方で履歴が一枚の履歴書に収まらないほど転職を繰り返している方を担当したことがあります。

面接では特別に印象が悪いというほどではありませんでしたが、人事権を持つ上長の決断は、やはり履歴書の内容から採用を見送るという結論になりました。

薬剤師という資格があってもやはり転職を繰り返しすぎると、どうしても履歴書の時点でマイナスの印象を持たれる可能性はあります。

では、実際に転職を繰り返さないためにやるべきことはなんでしょうか。

参考になる書籍から考えると

「令和時代 薬剤師 生き残りの処方箋」( 著者:山名登 株式会社 幻冬舎)という書籍があり、この中で「転職を繰り返す薬剤師にならないために」というタイトルの記述があります。

調剤薬局の経営者である著者の山名さんは、以下のようなことを述べられています。

実際に転職する場合には、「なぜ転職する必要があるのか」という点を突き詰めて考えておく必要があります。例えば「人間関係」や「待遇」などが主な原因である場合は、次の職場でも同様の問題に直面する可能性があるでしょう。

この記述の意味するところは、「人間関係」や「待遇」などで転職をすると、転職を繰り返す一因に成り得るといったところでしょうか。

では、どのような転職なら良いのかという点ですが、その後の記述は以下の通り。

「仕事の内容」や「会社の方針」などが理由で転職を検討する場合は、その背景にある自らのキャリアビジョンや今後のキャリア形成を踏まえつつ、中長期的な視点で考えておく必要があるといえます。

また、その前にも以下のような記述があります。

自分のなかに明確なキャリアビジョンさえあれば、ブレることなく仕事をすることができるはずです。重要なのは、自分自身が正しいと思うキャリアをベースに、適切な職業人生を着実に歩んでいくことでしょう。

これらの点から考えることは、自分の明確なキャリアビジョンがあり、仕事の内容や会社の方針がそのビジョンから離れている場合は、転職する価値がある、というようなことを述べているかと推察されます。

個人的には非常に同意できる内容であり、自分の考えがしっかりしていれば、必要があればすぐに転職を決断できるであろうし、転職先でも再度悩むということは少ない気がします。

では、どうすればキャリアビジョンを作ることができるでしょうか。

キャリアビジョンは難しく考えない

キャリアビジョンと聞くと難しく考えてしまい、そんなことはすぐにはわからないと思うかもしれません。

しかし、実際にはあまり難しく考える必要はありません。要は自分が何をしたいかを考えるだけです。

そしてそれは別に立派なものである必要はありません。

例えば、勤務薬剤師として、定時帰宅の週休2日の中で職務を全うするという内容でも良いでしょう。その中でより多くの薬に触れて自分の知識やスキルを磨いていくという意志があれば問題ありません。

近年では週休3日で勤務できる薬局などもありますがそのような条件でも、なるべく多くの科を経験したり、色々な調剤加算を算定してみる、というビジョンでも良いのではないでしょうか。

もちろん、管理薬剤師になって店舗をより良くしたいというビジョンや、できるだけ多くの患者さんのかかりつけ薬剤師として健康に貢献する、多くの在宅患者の服薬指導を担当する、出世して薬局の経営に尽力し、会社をより良いものにする、などと言ったビジョンも非常に優れたビジョンと言えるでしょう。

そしてこれらのビジョンは一度考えたら必ずそれを成し遂げなければならないというものではありません。途中で少しずつ修正を加えたり、時には一から考え直すことも決して悪いことではないでしょう。

キャリアビジョンを考えた上で今の職場に残ることもあり

上記のようなキャリアビジョンを少しでも考えた上で、今の職場で本当に転職が必要が考えるのも良いでしょう。

そして、キャリアビジョンを考えた上で、今の職場に残る、というのも選択肢の一つと言えます。

「人間関係」や「待遇」に不満がある場合、キャリアビジョンを達成する上では、必ずしも転職が必要ないケースもあるでしょう。

しかし、「人間関係」や「待遇」が理由で転職を絶対にしていけないわけではありません。もし、「人間関係」や「待遇」の面ですでに切羽詰まっているような状況であれば、キャリアビジョンを考えるのと同時進行で転職するのも一つの手でしょう。

キャリアビジョンを実現するために

キャリアビジョンを実現するために大事なことは、そのキャリアビジョンにマッチした職場を選ぶことです。

その方法として確率が高いのは、多くの選択肢をもった転職サイトを利用するという方法です。

自分のキャリアビジョンが優れていても、それに合う職場が探せなければ意味がありません。

求人数が多ければ、それだけ自分のキャリアビジョンに合う職場が見つかる可能性が高くなります。

このような理由からなるべく多くの求人数がある転職サイトに登録するのが良いでしょう。

また、今の職場に残ると決めた場合でも、自分のキャリアビジョンにより適した職場が見つかる可能性があるため、転職サイトに登録だけはしておき、求人情報をストックしておくのが良いでしょう。

今すぐ転職する場合も、一旦今の職場に残り転職の機会を窺うという場合も、キャリアビジョンを考えた上で行う次の転職が非常に重要となります。

なるべく多くの選択肢から、より良い職場を選ぶようにしましょう。

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