薬局の調剤基本料で関わってくる特定の医療機関の集中率について、案外計算方法が複雑なので、通知の原文から詳しく見てみました。
特定の医療機関における集中率の算出方法
算出方法に関しては、平成30年3月5日保医発0305第3号の通知に定められています(特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知))。
第 88 調剤基本料
1 調剤基本料の施設基準(3) 特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合は、特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数(同一保険医療機関から、歯科と歯科以外の処方箋を受け付けた場合は、それらを合計した回数とする。)を、当該期間に受け付けた全ての処方箋の受付回数で除して得た値とする。
文章だとわかりにくいですが、Aクリニックの門前薬局であれば、
集中率 = Aクリニックの受付回数 / 全医療機関の受付回数
要はこうゆうことですね。
注意点として、同じ会社の従業員とその家族が持ってきた処方箋は集中率の計算から除くことが規定されています。
(4) (3)の計算に当たり、同一グループの保険薬局(財務上又は営業上若しくは事業上、緊密な関係にある範囲の保険薬局をいう。以下同じ。)の勤務者(常勤及び非常勤を含めた全ての職員をいう。)及びその家族(同一グループの保険薬局の勤務者と同居又は生計を一にする者をいう。)の処方箋は、特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数及び当該期間に受け付けた全ての処方箋の受付回数のいずれからも除いて計算する。
以前はなかった規定ですが、集中率を下げたいために、他のクリニックで受診した従業員や家族の処方箋を持ち込んでも、集中率という観点からは意味がなくなりました。
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受付回数から除くもの|夜間・休日等加算、在宅など
集中率の算出などで受付回数から除くものとして以下の点も規定されています。
第 88 調剤基本料
1 調剤基本料の施設基準(1) 処方箋の受付回数
処方箋の受付回数の計算に当たり、受付回数に数えない処方箋は以下のとおりとする。ア 「区分番号 01」の「注4」の時間外加算、休日加算若しくは深夜加算又は「注5」の夜間・休日等加算を算定した処方箋
イ 「区分番号 15」の在宅患者訪問薬剤管理指導料、「区分番号 15 の2」の在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料又は「区分番号 15 の3」の在宅患者緊急時等共同指導料の基となる調剤に係る処方箋
ウ 介護保険法に基づく指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成 12年厚生省告示第 19 号)別表の「5」の居宅療養管理指導費のハの(2)又は指定介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成 18 年厚生労働省告示第 127 号)別表の「5」の介護予防居宅療養管理指導費のハの(2)の基となる調剤に係る処方箋
アは、時間外加算、休日加算、深夜加算、夜間・休日等加算をとっている患者さんは受付回数に含めないということ。
特に夜間・休日等加算は結構とっている薬局も多いはずですね。これらの患者さんは集中率の計算には入って来ないことになります。
また、休日当番などで休日加算をとっている場合、これも集中率には関わりません。休日当番で門前以外の患者さんがいっぱい来たぜ!と思っても、休日加算をとっている場合は集中率の低下には貢献しないので注意が必要ですね。
イ、ウの記載は、在宅の患者さんのこと。介護保険なら居宅療養管理指導の方ですね。これらの患者さんも集中率には含めないとのこと。門前以外でたくさん在宅をとってきても集中率の低下には貢献しない。なんか理不尽なような。逆に在宅なら門前のクリニックからいくらとっても集中率は上がらないという点は良いのか。。。
集中率の算出の期間は3月1日から2月末日まで
集中率を算出する期間についても同じ通知で定められています。
第2 届出に関する手続き
4 届出に当たっては、当該届出に係る基準について、特に定めがある場合を除き、実績期間を要しない。ただし、以下に定める施設基準については、それぞれ以下に定めるところによる。
(13) 調剤基本料の施設基準
ア 処方箋受付回数
(イ) 前年3月1日から当年2月末日までの1年間の処方箋受付回数の実績をもって施設基準の適合性を判断し、当年4月1日から翌年3月末日まで所定点数を算定する。
前年の3月1日から、2月末までですね。
つまり集中率がやばい!と思って3月に急に門前以外の処方箋を頑張って集めても意味がないということ。まぁ翌年の集中率には意味がありますが。。。
集中率について考えるのは遅くても2月までに頑張りましょう。
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