柴胡加竜骨牡蛎湯でハイリスク薬を算定できるケース

柴胡加竜骨牡蛎湯の特定薬剤管理指導加算(ハイリスク加算)について考察してみます。

柴胡加竜骨牡蛎湯はハイリスク薬?

ツムラ柴胡加竜骨牡蛎湯が処方された処方を入力してると、「特定薬剤管理指導加算を算定しますか?」とレセコンに聞かれました。

「んん?」と思いましたが、ツムラ柴胡加竜骨牡蛎湯はハイリスク薬の要件を満たすようですね。

薬剤師会のハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドラインをみてもらうのが良いですが、ハイリスク薬に分類される薬の一つに、「抗てんかん剤」に分類される薬(今回場合はてんかんの適応を持つ、が正しいですかね。。。)

ツムラ柴胡加竜骨牡蛎湯の効能効果は以下の通りです。

比較的体力があり、心悸亢進、不眠、いらだち等の精神症状のあるものの次の諸症

高血圧症、動脈硬化症、慢性腎臓病、神経衰弱症、神経性心悸亢進症、てんかん、ヒステリー、小児夜啼症、陰萎

ツムラ柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒(医療用) 添付文書

当然、「てんかん」に対して使用されてない患者さんの場合は、算定できません。

ツムラとコタローは算定できるけど他はNG

ちなみに柴胡加竜骨牡蛎湯は各メーカーで販売されています。

・オースギ柴胡加竜骨牡蛎湯エキスG
・クラシエ柴胡加竜骨牡蛎湯エキス細粒
・クラシエ柴胡加竜骨牡蛎湯エキス錠
・コタロー柴胡加竜骨牡蛎湯エキス細粒
・ジュンコウ柴胡加龍骨牡蠣湯FCエキス細粒 医療用
・ツムラ柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒(医療用)
・テイコク柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒
・マツウラ柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒
・太虎堂の柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒
・本草 柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒−M
・JPS柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒〔調剤用〕

並べると意外といっぱいありますね。

そしてこの中でハイリスク加算を取れるのは、ツムラとコタローだけ。

診療報酬情報提供サービスの「特定薬剤管理指導加算等の算定対象となる薬剤一覧」をみてもらうとハイリスク薬の対象薬がわかります。

ツムラとコタローだけしか対象でない理由は、「てんかん」の適応があるかどうかという点。

例えばクラシエの柴胡加竜骨牡蛎湯には「てんかん」の記載がない。

精神不安があって、どうき、不眠などを伴う次の諸症:
高血圧の随伴症状(どうき、不安、不眠)、神経症、更年期神経症、小児夜なき

クラシエ柴胡加竜骨牡蛎湯エキス細粒 添付文書

最近は、レセコンが処方入力の時点で勝手に判断してくれるから間違えるケースは少ないと思いますが、メーカーによって取れるものと取れないものがあるので要注意ですね。

精神神経用剤だから算定できるは間違い

柴胡加竜骨牡蛎湯でハイリスク薬を取れる理由として誤解されやすいと思うのが、「精神神経用剤」だから算定できるという勘違い。

けっこうメンタル系で処方されるので、メンタル系の薬だから算定できるのね、と思いやすい。

しかし、これは間違い。

前述のとおり、適応に「てんかん」の記載があるかないかで、ハイリスク薬として算定できるかとどうかが異なっている。この点から柴胡加竜骨牡蛎湯はあくまで「抗てんかん剤」としての特定薬剤として認められていることが窺える。

もし、「精神神経用剤」として算定して良いのなら、ツムラとコタロー以外でも算定できるはずだし。

みなさん実際に算定します?

ちなみに個人的な話になりますが、私は柴胡加竜骨牡蛎湯でハイリスク薬加算を取ったケースはありません。

というのも、てんかんで使用している患者さんを今のところみたことがないからです。

仮にてんかんの既往がある患者さんでも医師側がレセプトでどう出しているかわからないし、、、今後も算定することはない気がします。

個人的には返戻の可能性が高いハイリスク薬の一つだと思うので、算定する際は注意してみてください。

他の漢方のハイリスク薬は

漢方のハイリスク薬は珍しいので他にもあるか検索してみましたが、診療報酬情報提供サービスの「特定薬剤管理指導加算等の算定対象となる薬剤一覧」で見る限り、柴胡加竜骨牡蛎湯以外はなさそうですね。

間違ってたらすみません。

調剤報酬改定2020は不正請求をしないように

2020年4月から新しい調剤報酬がスタートしますが、対人業務に着眼点がシフトしてきており、今までの調剤報酬と毛色が違ってきている内容もあります。

レセプトも厳しくなってきている中で、曖昧な基準で加算をし、算定要件を満たさないと不正請求とも判断されかねないので、正確な内容の把握が必要です。

新たな調剤報酬の内容の詳細を、わかりやくまとめて確認する場合は、薬剤師のポータルサイトの利用が一般的です。

m3.com:エムスリー株式会社が運営
日経DI:株式会社 日経BPが運営

大手だと上記の2種類ですが、情報の偏りをなくす意味でも複数利用するのが良いでしょう。

なお、いずれも会員登録が必要ですが、無料で使えます

m3.comは業界ニュースの他にも、薬剤師掲示板の機能があり、個々の加算の具体例や、現場の薬剤師が疑問に思うことなどが日々議論されています。

閲覧だけでも勉強になりますが、もちろん自分で質問をして回答をもらうこともできます。

日経DIも業界ニュースが読みやすい形で配信されています。薬剤師掲示板の機能はありませんが、処方薬辞典などこちらも使いやすいコンテンツが無料で使えます。

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今後は、これらの薬剤師ポータルサイトなどを利用して自分の中でしっかりとした算定基準を持つことをが必要です。レセプトの返礼の嵐なんてことにならないようにしっかり継続学習しましょう。

それぞれの公式登録サイトは以下の通りです。

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