分岐鎖アミノ酸製剤のリックルについて、出荷が一時的に停止していますね。代替品などについてまとめました。
リックル配合顆粒の供給が停止|販売中止ではなく出荷の一時停止
分岐鎖アミノ酸製剤のリックル配合顆粒の供給が止まるようですね。もしくはすでに止まっている?
理由は、原薬メーカーからの原薬入手が困難とのこと。供給再開の目処は立ってないとのこと(リックル配合顆粒の供給に関するお詫びとお願い)。
一番困るパターンですね。。。頼むよ、マジで。原薬入手困難とか一番意味がわらないですね。
一応、販売中止というわけではなく、あくまで一時的な供給停止の様子。
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リックルの成分と一般名
そもそもリックルの一般名って何だっけ?となりますよね。
まず成分は以下の通り。
日局 L‐イソロイシン ……………………………………………952mg
日局 L‐ロイシン ………………………………………………1904mg
日局 L‐バリン …………………………………………………1144mg
一般名は
・【般】イソロイシン・ロイシン・バリン配合顆粒4.74g
が該当するようですね(処方箋に記載する一般名処方の標準的な記載(一般名処方マスタ)について)。
ちなみに紛らわしいものが以下の二つ
・【般】イソロイシン・ロイシン・バリン配合顆粒4.5g
・【般】イソロイシン・ロイシン・バリン配合顆粒4.73g
もう本当にやめてほしい。調剤過誤を助長しようとしているとしか思えない。。。
リックルの先発品と代替品|それぞれの薬価
さて、本題の先発品、代替品についてですが、リックルはそもそもジェネリックですね。
リックルと同じ4.74g/包製剤だと先発品に該当する品目はありません。
先発品はリーバクトになるようですね。
同じジェネリックの代替品としては、アミノバクト配合顆粒、コベニール配合顆粒、リバレバン配合顆粒、レオバクトン配合顆粒分包が4.74g包。
そして紛らわしい4.5g包のヘパアクト配合顆粒と、4.73g包のブラニュート配合顆粒があります。
いずれの製品も1包あたりL‐イソロイシン952mg、L‐ロイシン1904mg、L‐バリン1144mgの量となるため、薬剤としては同等と言えます。効能効果も「食事摂取量が十分にもかかわらず低アルブミン血症を呈する非代償性肝硬変患者の低アルブミン血症の改善」であるため、まぁどれを使っても同じと言えば同じ。
代替品として一番理想的なのは、リックルと同じ沢井製薬が発売元となっているリバレバンですが、リックルの供給が止まればおのずとこちらも出荷制限がかかる可能性が高そうですね。
現実的なのは先発医薬品であるリーバクトへの変更でしょうか。ただし、一般名が異なるので一般名処方できても疑義照会が必要になるパターン。ジェネリック指定できても先発品への変更なんで当然疑義照会ですね。
4.5g包のヘパアクト配合顆粒と、4.73g包のブラニュート配合顆粒への変更は選択肢からは外れますかね。。。ジェネリック同士の変更なのに疑義照会が必要になるパターンですかね。
それぞれの薬価(2020年2月現在)をまとめると以下の通り。
先発/ジェネリック | 製品名 | 包装 | 薬価(1包) |
ジェネリック | リックル配合顆粒 | 4.74g | 72.0 |
先発 | リーバクト配合顆粒 | 4.15g | 166.9 |
先発 | リーバクト配合経口ゼリー | 20g | 193.7 |
ジェネリック | アミノバクト配合顆粒 | 4.74g | 72.0 |
ジェネリック | コベニール配合顆粒 | 4.74g | 72.0 |
ジェネリック | リバレバン配合顆粒 | 4.74g | 72.0 |
ジェネリック | レオバクトン配合顆粒分包 | 4.74g | 72.0 |
ジェネリック | ブラニュート配合顆粒 | 4.73g | 83.6 |
ジェネリック | ヘパアクト配合顆粒 | 4.5g | 96.6 |
リーバクトが高いのは発なので当然ですが、ブラニュートとヘパアクトが高いのはなんでしょうね。
リックルの供給停止のまとめ
というわけで、リックルの供給は当面止まりそうです。
代替品としては、同じジェネリックだと納入実績がないと断られるというケースも多いので、先発のリーバクトに変えてもらうのが良いかもですね。
ただし、包装のgが違うので、基本的には疑義照会が必要になるでしょう。(よほどゆるい処方せんの記載なら別ですが。。。)
最後に効能効果、用法用量のおさらい。
【効能又は効果】
食事摂取量が十分にもかかわらず低アルブミン血症を呈する非代償性肝硬変患者の低アルブミン血症の改善
【用法及び用量】
通常、成人に1回1包(4.74g)を1日3回食後経口投与する。
リックル配合顆粒 添付文書
以上、頑張って代替品の確保に努めましょう。
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