特定薬剤管理指導加算の算定要件と点数、薬歴の記載、対象薬剤など|ハイリスク薬の加算、デパスなど注意

02 事務・調剤報酬・レセプト

特定薬剤管理指導加算について確認していきます。

特定薬剤管理指導加算の算定要件と点数

特定薬剤(ハイリスク薬)管理指導加算は特別なリスクがある特定の薬剤に関して、必要な指導を行った時に加算されるものであり、点数として10点の加算となります。

主な算定要件として以下の通りです。

第2節 薬学管理料
区分10 薬剤服用歴管理指導料

特に安全管理が必要な医薬品として別に厚生労働大臣が定めるものを調剤した場合であって、当該医薬品の服用に関し、その服用状況、副作用の有無等について患者に確認し、必要な薬学的管理及び指導を行ったときには、特定薬剤管理指導加算として、10点を所定点数に加算する。

平成30年3月5日 保医発0305第1号

 

(29)特定薬剤管理指導加算
ア 「注5」の特定薬剤管理指導加算は、薬剤服用歴管理指導料を算定するに当たって行った薬剤の管理及び指導等に加えて、患者又はその家族等に当該薬剤が特に安全管理が必要な医薬品である旨を伝え、当該薬剤についてこれまでの指導内容等も踏まえ適切な指導を行った場合に算定する。
なお、「薬局におけるハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン」(日本薬剤師会)等を参照し、特に安全管理が必要な医薬品に関して薬学的管理及び指導等を行う上で必要な情報については事前に情報を収集することが望ましいが、薬局では得ることが困難な診療上の情報の収集については必ずしも必要とはしない。
イ 特に安全管理が必要な医薬品とは、抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤、不整脈用剤、抗てんかん剤、血液凝固阻止剤(内服薬に限る。)、ジギタリス製剤、テオフィリン製剤、カリウム製剤(注射薬に限る。)、精神神経用剤、糖尿病用剤、膵臓ホルモン剤及び抗HIV薬をいう。
なお、具体的な対象薬剤については、その一覧を厚生労働省のホームページに掲載している。
ウ 特に安全管理が必要な医薬品が複数処方されている場合には、その全てについて必要な薬学的管理及び指導を行うこと。ただし、処方箋の受付1回につき1回に限り算定するものであること。
エ 対象となる医薬品に関して患者又はその家族等に対して確認した内容及び行った指導の要点について、薬剤服用歴の記録に記載すること。なお、従来と同一の処方内容にもかかわらず当該加算を継続して算定する場合には、特に指導が必要な内容を重点的に行い、その内容を薬剤服用歴の記録に記載すること。

平成30年3月5日 保医発0305第1号

要件の注意点としてかいつまんで見ると、まずは当然、該当薬剤が処方されている点、それについての服薬状況、副作用の有無等を確認する点、それをうけて必要な指導をする点、それを薬歴に記載する点などがあります。

前提として、薬剤服用歴管理指導料を算定している患者に限ります。また、複数のハイリスク薬が処方されている場合、服薬状況の確認、指導については処方されているハイリスク薬全てに対して行う必要がありますが、算定できるのは複数薬剤あっても10点だけです。

参照するように言われている「ハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン」は日本薬剤師会のサイトで公開されています。

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B. 業務内容の不満
C. 人間関係の不満
D. 給与面の不満

特定薬剤管理指導加算の対象薬剤の一覧

特定薬剤管理指導加算の対象となるハイリスク薬の一覧は厚生労働省が運用しているサイト「診療報酬情報提供サービス」に掲載されています。

特定薬剤管理指導加算の薬歴の記載

特定薬剤管理指導加算を算定した際には薬歴の記載が必要となります。

該当薬剤の服薬状況、副作用の有無、そして指導内容等を薬歴に残すようにしましょう。

糖尿病薬はよくある事例の一つであり、食前投与の場合などは特に用法を遵守出来ているか、低血糖症状が起きてないか、低血糖が起きた時の対処法を再確認するなど、継続薬の場合でも確認すべき点は多くあり、薬歴に記載するようにしましょう。

また、抗凝固薬(ワーファリン等)や抗血小板薬(チクロピジン等)も多くある事例と言えます。あざや出血等がないかを確認したり、休薬が必要な手術などを控えてないか等も確認し、記載することが必要です。

より詳しい内容は、薬剤師会のハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドラインを参考にしてもらうのが良いでしょう。

特定薬剤管理指導加算で注意が必要な薬剤|デパス

特定薬剤管理指導加算を算定する上で注意が必要な薬剤の代表例がデパスです。

デパスは特定薬剤管理指導加算の対象となる「精神神経用剤」に該当しますが、デパスには不眠に対する効能効果があり、こちらを目的に処方された場合は特定薬剤管理指導加算の対象外となります。患者さんからの聴取の中でも判断できますが、一般的に就寝前の処方となっている場合は、まず不眠に対して処方されていると考えてまちがいないでしょう。この場合は加算を取らないようにします。

その他、分2朝夕などで出てる場合は厳密には神経症用法と異なっているが、これは体感的にですが、加算とってもレセプト通る可能性が高い。ただし、明らかに腰痛とかで使っているようであれば加算しない方が良いでしょう。

特定薬剤管理指導加算で注意が必要な薬剤|抗不整脈薬

抗不整脈薬も特定薬剤管理指導加算を算定するか迷う薬剤の代表例と言えます。

というのも不整脈で使っている場合は算定できるが、降圧剤などとして用いている場合は算定できない。体感的にこれは結構レセプト返戻がきます。どうやって判断しているだろうと思うことも多々。

したがって、抗不整脈薬で特に不整脈以外の適応があるものに関しては、確実に不整脈に対して用いられていることが確認できない限りは算定しないのが安全と言えます。

❕付録2:薬剤師クイズ 〜辞めた後の問題〜❕

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A. 転職先で経験や技術が不足していると感じた
B. 給料が下がった
C. その後も転職を繰り返すようになった
D. 特に問題になることはなかった

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