薬剤師の散剤周りのルールや手技などについてまとめます。
散剤の秤量誤差は個々で10%以内、全量で2%以内
調剤指針だと、分包した散剤の9割が平均重量値から±10%に入るためには重量偏差は変動係数として6.1%以下がのぞましい、全量では2%以下がのぞましい、という記載がある。
この記載から考えると、全量の秤量誤差は2%以内までは許容されると読んで良さそう。
個々の分包はここから10%以内の誤差ならOKと読み取って良いのか微妙だけど、少なくとも10%以上の誤差はよろしくないのかと。。。
まぁ薬剤の種類にもよるでしょうが、10%以上の誤差は再秤量した方が良さそう。TDM対象の薬剤はもちろん話は別ですね。
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一年目で辞めてしまった薬剤師にアンケートを実施した結果、退職理由で最も多かったものはどれ?
A. 勤務時間やシフトの不満
B. 業務内容の不満
C. 人間関係の不満
D. 給与面の不満
散剤の撒き方とVマスのコツ
最近の薬局の分包機は円板型の方が多い気がしますが、Vマスの方が速いというメリットもあり、Vマスもそれなりに残っているかと思います。
個人的な見解も含めて、Vマスで上手く撒くコツは、両端の均一化と散剤のラインの目視だと思います。
分包後にgのズレが多いのが両端部分であり、ここが均一にできれば中間地点はそうそうズレません。散剤を落とす前に、目視でラインがまっすぐそろっていることを目視しますが、このときに目線をVマスと同じくらいの高さから見ると、ラインが揃っているかがわかりやすいです。
あとは、散剤の種類によっては、特に冬場は静電気でVマス部分に粉が残ることがあるので、先に手動で落としきってから、分包のスタートボタンを押すなどの工夫も必要です。
散剤の賦形は乳糖かデンプンか|賦形するgの基準は
一般的には乳糖が多い。
しかし、乳糖と相性が悪いものもある。アミノフィリン(ネオフィリンなど)、イソニアジド(イスコチンなど)は原則デンプンを使う。理由は配合変化で含量低下の可能性があるため。
賦形の基準は薬局によりけりだと思うが、1回量が0.1g未満とか、0.2g未満になる場合が多いと思う。大抵は1回量を0.1g、0.2gにするように乳糖やデンプンを追加する。
なお、顆粒剤は少量でも普通は賦形しない。過去に乳糖賦形の指示の処方箋を見たことあるが、この場合は指示の通りやるしかないかも。でも混和しても均一にならないだろうから、2回撒きで落とした方が良い気がする。
散剤の配合変化の注意品目
シロップや軟膏ほどではないが、散剤も配合変化に必要な品目はいくつかある。
有名なのはビタミン系(ハイシー、シナール、パンビタン)と酸化マグネシウム(カマ)、炭酸水素ナトリウム(重曹)とかですかね。
アスピリンと炭酸水素ナトリウム(重曹)、つくしAM散も要注意。
以下のサイトが結構参考になる。
http://okayamamc.jp/images/04/04-04/03_yakuzai/2013kitei.pdf
酸化マグネシウム(カマ)とダイオウは薬効としては問題ないけど色が変わるので注意が必要だったかな。。。すみません、うろ覚えです。ただ、変色したあとの色は覚えている。結構なピンク色になるので、患者さんには説明が必要だろう。
番外編でクラリス(クラリスロマイシン)とムコダイン(カルボシステイン)も有名どころか。効果は大丈夫だけど苦くなる。基本は別包が無難。たまにですが、構わんから混ぜて!というお母さんもいるので、その場合は混ぜてたこともあります。レセプト的には問題ないでしょうし。
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