一般名ややこしいシリーズで今回はデパケン、セレニカのバルプロ酸製剤です。
主なバルプロ酸製剤はデパケン、デパケンR、セレニカ
主なバルプロ酸ナトリウム製剤としてデパケン、デパケンR、セレニカRがあります。
一般名にするとバルプロ酸Na錠がデパケン、バルプロ酸Na徐放錠がデパケンR、セレニカRとなります。https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/shohosen_180401.html
まとめると以下の通り。
一般名 | 先発名 | 主なジェネリック | 用法 |
バルプロ酸Na錠 | デパケン錠 | バルプロ酸Na錠、バレリン錠 | 1日2~3回 |
バルプロ酸Na徐放錠 | デパケンR錠 | バルプロ酸Na徐放B錠、バルプロ酸ナトリウムSR錠 | 1日1~2回 |
バルプロ酸Na徐放錠 | セレニカR錠 | なし | 1日1回 |
バルプロ酸Na細粒 | デパケン細粒 | バルプロ酸ナトリウム細粒 | 1日2~3回 |
バルプロ酸Na徐放顆粒 | セレニカR顆粒 | バルプロ酸Na徐放顆粒、バルプロ酸ナトリウム徐放U顆粒 | 1日1回 |
バルプロ酸Naシロップ | デパケンシロップ | バルプロ酸Naシロップ、バレリンシロップ | 1日2~3回 |
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デパケンRとセレニカRの違いは体内動態が違う
デパケンRとセレニカRの一番の違いは体内動態です。
デパケンRは9時間で80%が溶出、セレニカRは14時間で80%が溶出とのこと。詳細は日経DIのwebサイトが参考になります(会員しかみれませんが。。。)。
なので用法も微妙に違う。デパケンRは1日1〜2回なのに対し、セレニカは1日1回。
ちなみに適応は同じ。
ついでに一包化の可否についても少し違う。デパケンRは可能、セレニカは吸湿性が高いので推奨されない。ちなみにデパケンも普通錠は一包化避けたほうが無難。
デパケンRとセレニカRは同じ一般名?
多分同じ一般名だと思う。厚労省の一般名マスタ「バルプロ酸Na徐放錠200mg」の備考欄に「先発品はデパケンR錠200mg/セレニカR錠200mg」という記載がある。
ちなみにバルプロ酸Na徐放錠100mgならデパケンRしかないし、バルプロ酸Na徐放錠400mgならセレニカRしかない。
問題は200mgの場合。
仮に用法が1日2回なら、デパケンRの方を意図していると思われる。1日1回の場合は医師の判断がわからない。どっちでも良いと思っているのかもしれない。そもそも一般名で混同される可能性は気づいてない可能性も十分ある。以前から継続しているならお薬手帳でどちらが出ているか判断するのありかも。ジェネリックはデパケンRの方にしかない。
とまぁ、色々想像するより医師に確認するのが一番確実ですが。何で一般名分けないんだろ。。。法律的にはどっちでも良いのかな。
ちなみに散剤系でいくと、デパケンは徐放じゃない細粒で、セレニカは徐放の顆粒。40%はどっちもあるけど、ちゃんと一般名を読めば間違えない。シロップはデパケンのみ。
とにかく、「バルプロ酸Na徐放錠200mg」の一般名処方が来たときは注意。これだけは注意しておきましょう。
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