高脂血症・脂質異常症の治療薬一覧と使い分け|それぞれの作用機序は

08 内分泌・代謝

高脂血症・脂質異常症の治療薬について、一覧、使い分け、作用機序などについて確認していきます。

高脂血症・脂質異常症の治療薬の一覧

現在、主に使用される高脂血症・脂質異常症の治療薬一覧は以下の通り。

分類 一般名・成分名 主な製品名
HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン系) プラバスタチン メバロチン
シンバスタチン リポバス
フルバスタチン ローコール
アトルバスタチン リピトール
ピタバスタチン リバロ
ロスバスタチン クレストール
小腸コレステロールトランスポーター阻害薬 エゼチミブ ゼチーア
陰イオン交換樹脂 コレスチミド コレバイン
コレスチラミン クエストラン
プロブコール ロレルコ、シンレスタール
フィブラート系 ベザフィブラート ベザトール
フェノフィブラート トライコア、リピディル
ペマフィブラート パルモディア
クロフィブラート クロフィブラートカプセル250mg「ツルハラ」
多価不飽和脂肪酸 イコサペント酸エチル エパデール
オメガ-3脂肪酸エチル ロトリガ
ニコチン酸誘導体 ニセリトロール ペリシット
ニコモール コレキサミン
ニコチン酸トコフェロール ユベラN
PCSK9阻害薬 エボロクマブ レパーサ
アリロクマブ プラルエント
MTP阻害薬 ロミタピド ジャクスタピッド

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一年目で辞めてしまった薬剤師にアンケートを実施した結果、退職理由で最も多かったものはどれ?

A. 勤務時間やシフトの不満
B. 業務内容の不満
C. 人間関係の不満
D. 給与面の不満

高脂血症・脂質異常症の治療薬の作用機序

HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン系)は主に肝臓において、アセチルCoAから生成されたHMG-CoAがメバロン酸に変わる過程の酵素を阻害し、コレステロール合成の阻害、LDL-C取り込み増加による血中LDL-Cの低下作用。

小腸コレステロールトランスポーター阻害薬は小腸壁細胞に存在する蛋白質を介してコレステロールなどが吸収されるのを阻害する。

陰イオン交換樹脂は、腸管内で胆汁酸と結合し、排泄を増強することで、コレステロールの吸収を阻害する。

プロブコールはコレステロールの胆汁中への異化排泄促進

フィブラート系は肝臓におけるコレステロールやトリグリセリドの合成を阻害、リポ蛋白の代謝を促進によりトリグリセリドの分解を促進。

多価不飽和脂肪酸は、肝臓での超低比重リポ蛋白(VLDL)合成を抑制などにより、血中トリグリセリド値を低下。

PCSK9阻害薬は、PCSK9とLDL受容体の結合を阻害し、LDL受容体分解を抑制して、LDL-Cの取り込み促進、血中LDL-Cの低下作用。

高脂血症・脂質異常症の治療薬の使い分け

高LDL-Cの場合は、スタチンが第一選択。副作用がある場合やスタチンに追加する目的で、エゼチミブ。陰イオン交換樹脂はメインでは使われないが、妊娠中などでは使用。プロブコールも近年はメインでは使われない。

高TGでは、フィブラート系が第一選択。軽度の場合や副作用でフィブラート系が使えない場合などは多価不飽和脂肪酸も。

スタチン系の使い分けは、まずはストロングスタチンとそうでないスタチンで使い分け。

ストロングスタチンはロスバスタチン、ピタバスタチン、アトルバスタチン。近年の第一選択はこちらのストロングスタチン。

その他の特徴として、CYPの影響が少ないのが、ロスバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン。

プラバスタチンは肝機能に関する禁忌がなし。分2でも使用されることがある。

プラバスタチンとフルバスタチンは併用禁忌薬がなし。

ロスバスタチンとピタバスタチンはOD錠あり。

シンバスタチンはプロドラッグ。

HMG-CoA還元酵素阻害の強さは、ロスバスタチン>アトルバスタチン>フルバスタチン>シンバスタチン>プラバスタチン、ピタバスタチンはシンバスタチンよりも強いことが報告されている。

フルバスタチンは用法が夕食後のみ。

 

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A. 転職先で経験や技術が不足していると感じた
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