PL顆粒とカロナールの併用、他のアセトアミノフェン製剤の併用についてどうしたものですかね。
原則アセトアミノフェン製剤同士の併用は禁忌
いつからでしたでしょうか。。。アセトアミノフェン製剤の添付文書には、警告として他のアセトアミノフェン製剤との併用を避けるように注意喚起されるようになりました。
したがって、原則は併用は禁忌となります。
しかし実際ありますよね。薬剤師なら必ず一回は通る道。。。
特に多いのはPL配合顆粒とカロナールの併用でしょうか。
理想論からいえば疑義をかけるのが正解なのでしょう。しかし、実際は問題がないケースも多いはず。
医師と事前にコミュニケーションを取れている場合は、併用する範囲をあらかじめ決めてその範囲内であれば疑義不要とかにしておく、というケースも多いですかね。
個人的な経験では、トラムセットとカロナールの併用で継続で使う場合などは、2回目からはレセプト用のコメントだけ入れて疑義しないというパターンもありました。
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結局疑義は必要なの?レセプトは通るの?
必要か必要じゃないかで言ったら必要だと思う。
でも実際のアセトアミノフェンの合計量や、クリニック側との関係性なども考慮して良いレベルの話だと思う。
レセプトに関して、東京都はコメントを入れておけば現状は通っていると思います。(例:「PLとカロナールの併用に関して医師の指示を確認」とかですかね。)
今後に関しても、個人的には薬学的な点から考えて一律に弾かれることはないと思います。意味がある併用は実際ありますし、いや、願望かもしれませんが、、、そこは学問的にそうであってほしいという希望も込めて。。。
実際に注意が必要なアセトアミノフェンの総量は
カロナールの添付文書から考えると、鎮痛目的の場合は1回量は1000mgまで、1日量は4000mgまでとなる。
上気道炎の場合は1回5量は00mgまで、1日量は1500mgまでとされている。
小児の場合は1回10~15mg/kg、1日量として60mg/kgまで。
アセトアミノフェン製剤の併用の処方箋がきた場合、疑義をかけるにしてもこのラインをあらかじめ考慮した上でかけるのが良いでしょう。
医師と話すときもこの量を超えているか超えていないかでこちら側の意見も言うのが良いかも。もちろん時と場合によりますがね。
ちなみにPL顆粒とカロナールの併用場合で、PLが1g中にアセトアミノフェン150mg含むので、1日3回で出たら450mg。ここに例えばカロナール200mgを1回2錠、1日3回で併用すると、1日量1200mgとなり、合計すると1650mgとなる。上気道炎は1500mgまでという量を超えるのでこれは減らしてもらう方が良いかなと個人的には思う。
ただし、カロナールを普段から鎮痛目的で使っている人の場合はどうなんだろう。。。この場合は上限を4000mgの方としても良い気もする。その場合は疑義をかけるときもちょっとトーンダウン(このままでもいいけど念のための確認だよ!的な)して医師に確認するかも。。。
アセトアミノフェン製剤の含有量と用法用量の一覧
主なアセトアミノフェン製剤の一覧を含有量と用法用量つきでまとめておきます。
製品名 | アセトアミノフェンの含有量 | 他の成分 | 用法用量 |
カロナール200/300/500 | 200/300/500mg | – | 鎮痛:4000mg/日まで 上気道炎:1500mg/日まで |
コカール | 200mg | – | カロナールと同 |
PL配合顆粒 | 150mg/包(1g) | サリチルアミド、無水カフェイン、プロメタジン | 1回1gを1日4回 |
ピーエイ配合錠 | 75mg/錠 | サリチルアミド、無水カフェイン、プロメタジン | 1回2錠を1日4回 |
ペレックス配合顆粒 | 150mg/包(1g) | サリチルアミド、無水カフェイン、クロルフェニラミンマレイン酸塩 | 1回1gを1日3~4回 |
カフコデN配合錠 | 100mg/錠 | ジプロフィリン、ジヒドロコデインリン酸塩、dl-メチルエフェドリン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、ブロモバレリル尿素 | 1回2錠1日3回 |
SG配合顆粒 | 250mg/包(1g) | イソプロピルアンチピリン、アリルイソプロピルアセチル尿素、無水カフェイン | 1回1g1日3~4回、頓服1~2g |
トラムセット | 325mg/錠 | トラマール | 1回1錠1日4回、抜歯後1回2錠 |
ざっとこんなもんですかね、有名どころは。
意外と注意したいのがSG顆粒はそこそこアセトアミノフェンが入っている。あと、カフコデは咳止めの面が強いので意外とアセトアミノフェンが入っているの忘れがち。
トラムセットは用量に幅が結構あるので注意。
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