アルコール依存症の治療薬の種類と比較|レグテクト、ノックビン、シアナマイドの服薬指導とポイント

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アルコール依存の治療薬、レグテクト(アカンプロサート)、ノックビン(ジスルフィラム)、シアナマイド(シアナミド)について比較をまとめました。

アルコール依存症で使われている薬の種類

アルコール依存症で主に使われるのはレグテクト(アカンプロサート)、ノックビン(ジスルフィラム)、シアナマイド(シアナミド)の3種類です。

製品名 成分名・一般名 作用機序 発売
レグテクト アカンプロサート NMDA受容体阻害? 2013年
ノックビン ジスルフィラム アルデヒド脱水素酵素阻害 1983年
シアナマイド シアナミド アルデヒド脱水素酵素阻害 1963年

新しい機序のレグテクト(アカンプロサート)の特徴と使い方

今現在、よく使われるのがアカンプロサートの成分を含むレグテクトでしょう。

元々、海外でも使われていましたが、2013年に日本でも発売。

従来の薬であるノックビンとシアナマイドのいわゆる抗酒薬と異なる機序の薬です。ただし、その詳しい作用機序は不明とのこと。一応、グルタミン酸のNMDA受容体を阻害する説が濃厚のようですが、不確かみたいですね。

患者さんに説明するのが難しいですが、飲酒の欲求に関わる神経伝達物質の働きを阻害する、くらいの説明をしとくのが良いでしょうか。

用法用量は1回2錠で1日3回食後に使用。1日量だと6錠ということですね。

ちなみに色々と効果の注意点あります。_x0007_心理社会的治療と併用するとのこと、_x0007_断酒の意志がある患者にのみ使用、_x0007_離脱症状がある場合はそれの治療が終わってから。

う〜ん、なかなか万能薬というわけではなさそうですね。

副作用は下痢の頻度が14.1%と少し高め。その他は多くても1%。

併用禁忌、併用注意はないため、ノックビンやシアナマイドとかとも併用いけるようですね。

あとは腎排泄のため、高度の腎機能障害では禁忌。肝障害の注意喚起はないため、アルコール性肝障害の人でもおそらく使える薬。

散剤のノックビン(ジスルフィラム)の特徴と使い方

従来からある抗酒薬の一つがジスルフィラムを成分とするノックビンですね。

粉しかないのが薬局側からすると少し使いにくい。。。まぁたかだか薬価は60.6円/gなのでそこまで高い薬ではないですがね。ジェネリックもなし。

一応、田辺三菱での発売が1983年とのこと。しかしインタビューフォームを見るとその前から製造されていたような感じ。とにかく古くからあるということですね。

作用機序はアルデヒド脱水素酵素を阻害することにより、飲酒時の血中アセトアルデヒド濃度を上昇させる。これって要は酒が飲めない人の状態に近づけるということですよね。。。

患者さんにはお酒が飲みにくくなる薬とでもいうのが良いのか。。。

効果の持続が長く6~14日間持続とのこと。

用法用量は1日0.1~0.5gを1~3回に分割経口投与。その後飲酒試験を実施して維持量を決める。維持量としては、通常0.1~0.2gで、毎日続けるか、あるいは1週毎に1週間の休薬期間を設けるとのこと。

併用禁忌として、当然アルコール。急性アルコール中毒の症状が現れるので絶対に禁酒。

その他、奈良漬などのアルコールを含む食品や、アフターシェーブローションなどのアルコールを含む化粧品も原則使わないように注意喚起する必要あり。

保存は、室温(なるべく冷所)保存とのこと(インタビューフォーム参照)。???。どっち?。一応冷所と伝えるのが良さそうですね。

液剤のシアナマイド(シアナミド)の特徴と使い方

シアナミドを成分とするシアナマイド内用液1%、こちらも従来からある抗酒薬の一つ。

ノックビンと並んで使いにくい。。。なぜなら液剤しかないから。1mLあたり7.2円なので、維持用量で使う場合は、ノックビンとさほど金額は変わらないですね。

発売が1963年。なかなか歴史がありますね。

作用機序はノックビンと同じく、アルデヒド脱水素酵素を阻害。恐ろしや。

ノックビンと違って、作用発現までが早く、持続時間も短いのが特徴。

用法用量は1日5〜20mLを1〜2回に分割投与して、その後飲酒試験。維持量は1.5〜6mLを1日1回投与。隔日にしてもOK。

併用禁忌としてアルコール。ノックビンと異なり、奈良漬等の食品やアフターシェーブローションなどのアルコール化粧品は併用注意になっている。しかし、危険なので患者さんにはやっぱり避けるよう説明したほうが良さそう。

保存は冷所で。

その他のアルコール依存性治療薬

トピナ(成分名:トピラマート)やギャバロン・リオレサール(成分名:バクロフェン)も使われることがあるようですが、いずれも適応外。

公益社団法人 福岡県薬剤師会 質疑応答

ちなみに自分はこの目的での処方は見たことありません。

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