グラクソスミスクライン(GSK)の新薬テリルジーについて確認してきます。
テリルジーの特徴
テリルジーは吸入ステロイド薬(ICS)のフルチカゾンフランカルボン酸エステル(FF)、長時間作用性抗コリン薬(LAMA)のウメクリジニウム臭化物(UMEC)、長時間作用性 β2刺激薬(LABA)のビランテロールトリフェニル酢酸塩(VI)の 3成分を含む吸入薬です。
それぞれの比率は、100/62.5/25µg(FF/UMEC/VI)とのこと。
GSKお得意のエリプタがデバイスとなり、今回も1日1回1吸入のようですね。
最初はCOPDのみの適応となるようですが、いずれは喘息の適応もとりそうな勢い。。。
どうやら3成分を含むものは初めての登場のようですね。もう何でも混ぜてこうみたいな勢いは今後も続くのか。。。
ちなみに規格は最初は100のみで、容量は14吸入と30吸入の2種類。
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テリルジーはレルベア+エンクラッセ?アニュイティ+アノーロ?
さて、すでにお気付きの方も多いかと思いますが、テリルジーに含まれる成分は、従来のGSKの吸入剤に含まれる成分の使い回しです。
従来のグラクソのエリプタ製剤は以下の4つ。
製品名 | 成分 | 規格と容量 | 適応 |
アニュイティ | FF | 100μg30吸入、200μg30吸入 | 気管支喘息 |
アノーロ | UMEC+VI | 7吸入、30吸入 | COPD |
エンクラッセ | UMEC | 7吸入、30吸入 | COPD |
レルベア | FF+VI | 100μg14吸入、100μg30吸入、200μg14吸入、 200μg30吸入 |
気管支喘息、COPD(100μgのみ) |
FF:フルチカゾンフランカルボン酸エステル
UMEC:ウメクリジニウム臭化物
VI:ビランテロールトリフェニル酢酸塩
というわで、テリルジーはアニュイティ+アノーロ、もしくはエンクラセ+レルベアと言える製剤ですね。
ただ、アニュイティとアノーロは適応が違うので、一緒に使ってた人はいるのかな。。。
エンクラッセとレルベアはCOPDの人なら一緒に使ってた人がいるのかもしれない。その人にとっては、デバイスが一つにまとまったのでお得感がありますね。。。
テリルジーの発売日、承認日、薬価など
テリルジーは製造販売承認年月日が2019年3月26日です。
ここから想像するに、承認日の2ヶ月前後で発売するケースが多いので、発売は2019年の5月か6月になると予想されます。
薬価も現時点では定まっていませんが、多分1万をちょい下回るくらいと予想。
アニュイティ100の30吸入(1899.1)+アノーロの30吸入(7924.7)で9823.8。
エンクラッセの30吸入(5877.7)+レルベア100の30吸入(5689.4)で11567.1。
デバイスの費用も薬価に込みだと思うので、単純に上記のような算数通りでなく、もう少し安くなると予想されますが、ただ、アノーロの時点でほぼ8000円ですからね。
吸入ステロイドの成分は高くないはずなので、アノーロ+1000円くらいが妥当じゃないでしょうか。というわけで9000円くらい。正解はいかに。。。
5/21追記
テリルジーの発売日は2019年5月22日に決まりました。
薬価は30吸入が8692.8円、14吸入が4107.4円となり、想定よりは安い薬価が設定されている印象です。
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