重複投薬・相互作用等防止加算の算定要件や例|追加の場合や薬学的観点の具体例は

重複投薬・相互作用等防止加算の算定要件や、具体的な例について確認していきたいと思います。

重複投薬・相互作用等防止加算の算定要件

重複投薬・相互作用等防止加算の算定要件について、平成30年厚生労働省告示第43号の区分10「薬剤服用歴管理指導料」および13の2「かかりつけ薬剤師指導料」では以下のように定義されています。

薬剤服用歴に基づき、重複投薬、相互作用の防止等の目的で、処方医に対して照会を行い、処方に変更が行われた場合は、重複投薬・相互作用等防止加算として、次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する。
イ 残薬調整に係るもの以外の場合 40点
ロ 残薬調整に係るものの場合 30点

要件としては、必ず疑義照会をし、処方変更が行われた場合となります。

また、平成30年3月5日保医発0305第1号の通知では、少し細かい算定要件が定められています。

重複投薬・相互作用等防止加算

ア 「注4」の重複投薬・相互作用等防止加算は、薬剤服用歴の記録又は患者及びその家族等からの情報等に基づき、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に算定する。 ただし、複数の項目に該当した場合であっても、重複して算定することはできない。なお、薬剤服用歴管理指導料を算定していない場合は、当該加算は算定できない。

イ 「イ 残薬調整に係るもの以外の場合」は、次に掲げる内容について、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に算定する。
① 併用薬との重複投薬(薬理作用が類似する場合を含む。)
② 併用薬、飲食物等との相互作用
③ そのほか薬学的観点から必要と認める事項

ウ 「ロ 残薬調整に係るものの場合」は、残薬について、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に算定する。

エ 重複投薬・相互作用等防止加算の対象となる事項について、処方医に連絡・確認を行った内容の要点、変更内容を薬剤服用歴の記録に記載する。

オ 同時に複数の処方箋を受け付け、複数の処方箋について薬剤を変更した場合であっても、1回に限り算定する。

ここで重要なのは、「イ 残薬調整に係るもの以外の場合」とは、① 併用薬との重複投薬(薬理作用が類似する場合を含む。)、② 併用薬、飲食物等との相互作用③ そのほか薬学的観点から必要と認める事項、であること。

そして、複数該当、複数処方箋の場合でも、算定できるのは1回分のみ、また、確認を行った内容や変更内容は必ず薬歴に記載するという点が要件として挙げられます。

なお、薬剤服用歴管理指導料についての説明部分であるため、「薬剤服用歴管理指導料を算定していない場合は、当該加算は算定できない」とありますが、「かかりつけ薬剤師指導料」を算定している場合でも同様の加算が取れる旨の説明があり、算定することができます。

❕付録:薬剤師クイズ 〜疑義照会が必要かも〜❕

70代男性、以下の継続処方あり。

Rp.1)ジャヌビア50mg 1錠
分1 朝食後     30日分
Rp.2)アジレクト1mg 1錠
分1 朝食後     30日分
Rp.3)アミティーザ24μg 2cap
分2 朝夕食後    30日分

主訴)
・便秘はまだ続いている。薬続けて様子みるよ。
・腰も痛い状態が続いてて、整形で痛み止めのカプセルが追加になった。
・最近トイレに起きる回数が多くて。尿が出るのも少し時間がかかるかな。

上記の患者さんで疑義照会が必要な可能性があります。

重複投薬・相互作用等防止加算の薬学的観点とは

「残薬調整に係るもの以外の場合」の具体例として、「③そのほか薬学的観点から必要と認める事項」が挙げられていますが、これについては、「保険調剤Q&A」の書籍にて解説されています。

例えば過去の副作用やアレルギー歴に係る疑義照会などが挙げられますが、このほかにも算定対象として認めれるケースはいくつか考えられます。

処方位による単なる事務的な記載ミスに関する疑義照会は算定対象として想定されていませんが、薬剤師が「薬学的観点から必要」と認めた事項について疑義照会を行い、その結果として処方変更が行われたのであれば、算定対象になり得ると理解して差し支えありません。

保険調剤Q&A 平成30年版 株式会社じほう

上記の通り、少なくとも副作用歴やアレルギー歴から疑義をして、処方内容が変わった場合などは間違いなく算定が可能と言えます。

また、保険調剤Q&Aの解説から考察すると、事務的なミス以外であれば、疑義照会後に処方変更された場合は、かなり広範囲なところまで算定可能と解釈できそうです。

薬剤が追加された場合や処方日数の延長は

現在は、処方の追加や投与日数の延長でも重複投薬・相互作用等防止加算が算定できるとされています。

以前は、処方薬剤の削除や、処方日数の短縮など、医療費が安くなるケースでしか加算が認められていませんでしたが、平成28年4月の改定より、追加や延長でも算定できることが認められています。

この内容についても「保険調剤Q&A平成30年版」にて詳しく書かれています。

また、平成28円3月までは、薬剤の追加や投与期間の延長は処方内容の変更として認められませんでしたが、現在は、薬学的観点に基づく処方変更であれば、追加や延長を問わず算定可能です。

保険調剤Q&A 平成30年版 株式会社じほう

重複投薬・相互作用等防止加算の算定の例

実際に重複投薬・相互作用等防止加算が算定できると考えられる例を挙げてみます。

今回あげるものは実際に私が算定したことがあるケースであり、レセプトの時点では特に問題なかった例です。ただし、個別指導では当たってないケースなので個別指導でも100%大丈夫とは言えないのでご了承ください。

例1

セイブル錠50mg 3T
分3 毎食後   14日分

上記処方に対して、セイブルの用法を疑義照会→毎食直前に変更

おそらくこれは薬学的観点から意味のある問い合わせなので、加算が認められると思う。食後じゃ意味のない服薬になってしまうので。

例2

ロゼレム錠8mg 1T
分1 就寝前  30日分

併用薬
デプロメール錠50 2T/日を服用中

上記処方に対して、ロゼレムとの併用禁忌薬デプロメール使用中の旨を伝える→ベルソムラ錠15mgに処方変更

これは通知でも書かれている「併用薬との相互作用」に該当するため、間違いなく加算できる例と考えられる。

例3

マイスリー錠5mg 1T
分1 就寝前  40日分

上記処方に対して、マイスリーの処方日数上限が30日であることを伝える→30日分に処方変更

これはおそらく算定できない。保険調剤Q&Aでいうところの「事務的なミス」に該当する例だと思う。依存性とかを考えると、薬学的観点から全く意味がないということもないかもしれないが、算定しないほうが無難だと思われる例。

 

その他にも算定例として参考になるものとして、m3.comの薬剤師掲示板では、現場の薬剤師さんが、重複相互作用等防止加算の算定例について、というテーマで、薬学的観点などについて議論しているものもあるので、そちらも参考にしてください。

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