向精神薬の頓服について規制やルールなど

03 法規・ルール

向精神薬の頓服使用について、規制やルールなどを確認してみました。

向精神薬の頓服処方の例

最近はあまり見なくなりましたが、日数の規制がある向精神薬を、内服と頓服両方で処方する例。

例えば以下の様な感じ。

Rp.1
クレストール錠2.5mg 1錠
分1 夕食後    40日分Rp.1
マイスリー錠5mg 1錠
分1 就寝前    30日分Rp.2
マイスリー錠5mg 1錠
不眠時      10回分

明らかにクレストールの40日分に合わせるために、マイスリーを上限の30日と、10回の頓服処方で40錠にしている。。。

今でもたまーに、こうゆう処方ありませんかね。

あまり気持ちの良い処方ではありませんが、実際に規制やルールなどを確認してみました。

❕付録1:薬剤師クイズ 〜新人薬剤師の退職理由〜❕

一年目で辞めてしまった薬剤師にアンケートを実施した結果、退職理由で最も多かったものはどれ?

A. 勤務時間やシフトの不満
B. 業務内容の不満
C. 人間関係の不満
D. 給与面の不満

向精神薬の頓服のルール

インターネット上で検索すると、明確な規制やルールは挙がってきませんでしたが、比較的公共性が高い情報として、広島県四師会役員連絡協議会の広報誌が見つかります。

その広報誌では、「向精神薬など投与日数に制限のある薬剤を「頓服」と併用して処方される場合(他の薬を35日分処方、向精神薬30日、同薬頓服5回分など)があるが「頓服」で別出ししても制限以上の長期処方とみなされます。」という記載があります(広島県四師会役員連絡協議会 広島県医師会速報(第2124号))。

上記の内容から考察すると、前述の例で挙げたものは、マイスリーも40日分の処方とみなされ、処方制限のルールを逸脱していると判断されるということになります。

上記の内容に法的な拘束力があるかは微妙なところでしょうが、少なくとも広島県薬剤師会は上記の様な見解を持っていることがわかります。

実際に疑義照会をするかどうかは今までの状況も考慮して

では、前述で挙げた様な、同じ向精神薬の内服と頓服が併記されている場合についての対応はどの様にするべきか。

現実的には医療機関との今までの関係性を考慮して、対応する必要があるでしょう。

仮に今まで内服と頓服の併記の処方をそのまま調剤している実績があれば、何の前触れもなく疑義照会をして頓服の削除を依頼するなどをすると、医療機関側も驚いてしまうかもしませんし、依頼に応じてくれるかもわかりません。

また、内服と頓服を実際に体調に応じて併用している患者さんもいる可能性もあるため、機械的に一律に疑義照会をするのは薬剤師としてどうかという面もあるでしょう。

ちなみにレセプトが通るかどうかについては、都道府県毎に異なる可能性も十分にあります。今までのレセプトの実績なども考慮が必要でしょう(もちろん今後はより厳しくなることが予想されますが。)。

したがって、明らかに日数調整の場合は同じ向精神薬の内服と頓服が併記されている場合の対応については、

・初回の場合→初めてなら疑義照会してなるべくやめてもらう方が良い
・過去に処方通りに調剤している場合→疑義照会でなく別途相談の設けて相談する

という形で対応するのが良さそうです。過去に処方通りに調剤している場合は、別途相談の機会で、今後はこの様な処方はレセプトが通らなくなる可能性があるので・・・というような言い回して相談して先生の判断を仰ぐのが良いでしょう。レセプト切られるまでやり続けると言われたら、なかなかそれ以上強く言えない面もありますしね。。。

なお、日数調整のためとも言い切れない場合は患者さんとも話しながらヒアリングして問題なければそのまま投薬で良いと思います。あくまで処方権は医師の方にありますし、実際にメンタルクリニックなどでは同じ薬を内服と頓服で使い分けているケースも散見されますしね。

 

❕付録2:薬剤師クイズ 〜辞めた後の問題〜❕

一年目で辞めてしまった薬剤師へのアンケートで、「退職後に問題になったこと」で最も多かった回答はどれ?

A. 転職先で経験や技術が不足していると感じた
B. 給料が下がった
C. その後も転職を繰り返すようになった
D. 特に問題になることはなかった

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