サプリメントの患者さんへの説明、注意点など薬剤師の立場から|ミネラル編

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薬剤師としてのサプリメントの患者さんへの説明、注意点などを確認していきます。

今回はミネラルのうち、多量ミネラルについてです。

多量ミネラルの一覧

多量ミネラルとして、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、微量ミネラルとして、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデンが「日本人の食事摂取基準(2015年版)」として基準値が設定されている(e-ヘルスネット)。

ミネラルの個々の内容に関しては、公益財団法人長寿科学振興財団が運営している健康長寿ネットがわかりやすくまとめてくれています(健康長寿ネット)。

一覧と、特徴は以下の通り。

多量ミネラル ナトリウム カリウム カルシウム マグネシウム リン
1日必要量(成人) 600mg 2000〜2800mg 650〜800mg 220〜310mg 800〜1200 mg
1日上限 食塩量として7〜8g未満が目標量 2,500mg 3000mg
主な機能 水分バランス、細胞外液の浸透圧の維持 細胞の浸透圧維持、ナトリウムの再吸収抑制 骨や歯の構成成分 エネルギー産生機構の補酵素、カルシウムと拮抗 骨や歯を構成、エネルギー貯蔵物質を構成
不足した場合 疲労感、血液濃縮、食欲不振 脱力感、筋力低下、食欲不振、骨格筋の麻痺 骨の発育障害、骨粗鬆症、神経や筋肉の興奮、てんかん 不整脈、虚血性心疾患、動脈硬化症などのリスク 脱力感、筋力低下、溶血
過剰摂取 高血圧、生活習慣病 高カリウム血症、しびれ、心電図異常 高カルシウム血症、結石、他のミネラル吸収阻害 下痢、血圧低下、吐き気、心電図異常 カルシウム吸収阻害
含まれる食品 塩、しょうゆ、みそ、加工食品、漬物 野菜、果物、海藻、いも類、豆類 牛乳・乳製品、小魚、海藻、豆類、野菜 穀類、野菜 牛乳・乳製品、卵黄、小魚類、豆類、肉類、ぬかや胚芽
注意する併用薬 セララ テトラサイクリン、キノロン 抗生物質、抗菌剤
主な医薬品 ソリタなど アスパラカリウム、グルコンサンK アスパラ-CA、デノタス 酸化マグネシウム

 

❕付録1:薬剤師クイズ 〜新人薬剤師の退職理由〜❕

一年目で辞めてしまった薬剤師にアンケートを実施した結果、退職理由で最も多かったものはどれ?

A. 勤務時間やシフトの不満
B. 業務内容の不満
C. 人間関係の不満
D. 給与面の不満

多量ミネラルの注意点と薬剤師として伝えるべきこと

多量ミネラルについて、サプリメントなどで相談を受けた際、販売する際に伝えておくべきことをそれぞれ確認していきます。

ナトリウム

体内の水分バランス、細胞外液の浸透圧を維持のほか、酸・塩基平衡、筋肉の収縮、神経の情報伝達、栄養素の吸収・輸送などにも関与。

あまり不足するケースはないが、汗を大量にかいたときや、脱水状態の時は意識的に摂取した方が良い。疲労感、血液濃縮、食欲不振のリスクがある。

過剰摂取では、高血圧、生活習慣病のリスク。

ナトリウムだけのサプリはあまりない。どちらかというと過剰摂取に注意するミネラル。

処方薬だとソリタなどがある。

カリウム

細胞の浸透圧を維持、酸・塩基平衡の維持、神経刺激の伝達、心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節、ナトリウムの再吸収抑制など。

こちらも不足するケースは少ないが脱水時などは注意。不足すると脱力感、筋力低下、食欲不振、骨格筋の麻痺などのリスク。

過剰摂取では腎機能低下時に特に注意。高カリウム血症になると、筋収縮が調節不備により、四肢のしびれ、心電図異常など、重篤な場合は心停止。

カリウム単品のサプリメントはあまりない。セララやカリウム保持性の利尿薬などとは併用に気をつけたい。

処方薬だと、ケーサプライ、アスパラカリウム、グルコンサンKなどがカリウム補給の目的で使われる。

カルシウム

骨や歯の主要な構成成分であり、細胞の分裂・分化、筋肉収縮、神経興奮の抑制、血液凝固作用の促進などにも関与。

不足すると骨や歯が弱くなる。子供の場合は、骨の発育障害のリスク、高齢者では骨粗鬆症のリスク。他にも神経や筋肉の興奮が高まり、テタニー(筋肉の痙攣)やてんかん(全身の痙攣)の可能性。

過剰摂取では高カルシウム血症となり、泌尿器系の結石、前立腺がん、鉄や亜鉛の吸収障害、便秘などのリスクがある。

カルシウムは様々な種類のサプリメントがある。テトラサイクリン系やニューキノロン系の抗生物質は飲み合わせに注意したい。

処方薬だと、アスパラ-CA、デノタスチュアブルなどがある。

マグネシウム

エネルギー産生機構に関与しており、他にもカルシウムと拮抗して筋収縮を制御、血管拡張、血小板凝集抑制などの作用も。

不足すると不整脈や、慢性的な場合は、虚血性心疾患、動脈硬化症などのリスク。

通常は過剰な分は排泄されるが、腎機能低下の場合は高マグネシウム血症に注意。血圧低下、吐き気、心電図異常などの症状。

マグネシウム単独のサプリはあまりないかもしれないが、マルチミネラルなど多くのサプリメントに含まれる。カルシウムと同様、テトラサイクリンやニューキノロンなどとの併用は注意したい。

マグネシウム摂取が目的の処方薬はあまりがないが、マグミットなどの酸化マグネシウム製剤は数多く種類がある。

リン

骨や歯の構成成分。リン脂質として細胞膜の構成成分となったり、アデノシン三リン酸(ATP)の構成成分となる。

不足すると、脱力感、筋力低下、溶血などの症状。

過剰摂取は特に腎機能障害の場合に注意。カルシウムの吸収を阻害する作用がある。高リン血症では血管や関節などの石灰化により動脈硬化や関節痛などが起きたり、副甲状腺ホルモンの過剰分泌により骨がもろくなるなどがある。

不足より過剰の方が問題になるので、単独サプリはあまりない。

多量ミネラルのサプリメント

各種メーカーから様々な配合量でサンプリメントが販売されている。

電解質に影響を与えたり、する可能性があるので循環器系の疾患には注意したり、抗生物質などと相性がよくないもののあるので、その辺りは注意したい。

どれも過剰摂取には注意したいところ。

❕付録2:薬剤師クイズ 〜辞めた後の問題〜❕

一年目で辞めてしまった薬剤師へのアンケートで、「退職後に問題になったこと」で最も多かった回答はどれ?

A. 転職先で経験や技術が不足していると感じた
B. 給料が下がった
C. その後も転職を繰り返すようになった
D. 特に問題になることはなかった

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