ゾフルーザと抗凝固薬は併用できるのか|ワーファリン、プラザキサ、イグザレルト、エリキュース、リクシアナとの相互作用

12 感染症

ゾフルーザとワーファリン、プラザキサ、イグザレルト、エリキュース、リクシアナなどの抗凝固薬との併用について調べてみました。

ゾフルーザはPT-INRを延長する?_x0008_

前提としてゾフルーザは併用注意薬、併用禁忌薬はありません。(ゾフルーザ 添付文書参照。)

しかし、添付文書を読み進めると、、、ん?

【使用上の注意】の「9.その他の注意」において、「ラットにおいて本薬投与によりプロトロンビン時間(PT)及び活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の延長が認められたが,ビタミン K との併用時には PT 及び APTT の延長は認められなかったとの報告がある。」

との記載があります。

これはどう解釈すれば良いのだろう。。。

普通に考えると、ワーファリンの他、プラザキサ、イグザレルト、エリキュース、リクシアナなどの抗凝固薬を使っている患者さんについては少し注意が必要な気がしますが。

しかし、併用注意、併用禁忌でないから、併用は特に問題ないということかなぁ。。。

❕付録1:薬剤師クイズ 〜新人薬剤師の退職理由〜❕

一年目で辞めてしまった薬剤師にアンケートを実施した結果、退職理由で最も多かったものはどれ?

A. 勤務時間やシフトの不満
B. 業務内容の不満
C. 人間関係の不満
D. 給与面の不満

インタビューフォームでもゾフルーザのPTヘの影響について詳細はなし

というわけでまぁ、普通の薬剤師ならこの流れでインタビューフォームみますよね。

で、問題のところ。

(解説)
ラットにおいて,ビタミン K の摂取が不足する摂餌条件下で本薬を反復経口投与した場合に,ビタミン K 不足に起因すると考えられる PT 及び APTT の延長が認められた。ただし,ビタミン K の必要量は,ヒト(1.4 ~ 4.0 μg/kg/日)と比較してラット(50 μg/kg/日)では多量であり,ヒトの場合には食事から十分なビタミン K が摂取可能であることから,ヒトへの
外挿性は不明である。

との記載。

はっ?

結論は不明なの?それで承認されるのか!!!

まぁ、冷静に読めば、普通の人間は食事からそれなりにビタミンKをとるから、ゾフルーザ飲んでもPTとかにはおそらく影響ないよ、というわけで抗凝固薬との併用も特に問題ないよ、ということなんでしょう。

明確な危険性も確認されていないので、併用注意や併用禁忌の注意喚起もないので、現状では抗凝固薬との併用が確認された場合でも疑義照会などは不要でしょう。

薬剤師として一応頭には入れておくべきか

ご存知のとおり、ゾフルーザは新薬なので、まだわかっていない安全性面もありうるかもしれません。耐性ウイルスがすでに数パーセントいるという報道もありましたしね。

いずれにしても薬剤師であれば、このPTやAPTTを延長されるという基礎実験の結果は頭の片隅には置いといても良い情報かもしれませんね。

PT-INRなどの凝固系の検査値は結構デリケートであり、ワーファリンの量を0.5mg半錠増やしたり、減らしたりするだけでも結構値が変わってくると言いますもんね。

ちなみに結構新し目のレセコンの場合、併用薬チェック機能とかで、ゾフルーザとワーファリンとかはチェックに引っかかる可能性があると思います。その理由はおそらくこのPT、APTTへの影響によるものだ思われます。

現状はゾフルーザとワーファリン、プラザキサ、イグザレルト、エリキュース、リクシアナの併用は薬剤師の中で注意

というわけで、疑義照会もしないし、患者さんに不必要に伝える必要もないが、薬剤師の中では併用例をみたら少し心に止めておく、次回来局時に出血傾向がなかったかをさりげなく確認する、程度のことはしても良いかもですね。

 

❕付録2:薬剤師クイズ 〜辞めた後の問題〜❕

一年目で辞めてしまった薬剤師へのアンケートで、「退職後に問題になったこと」で最も多かった回答はどれ?

A. 転職先で経験や技術が不足していると感じた
B. 給料が下がった
C. その後も転職を繰り返すようになった
D. 特に問題になることはなかった

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