ACE阻害薬の一覧と比較、使い分け

03 循環器

ACE阻害薬の一覧と比較、使い分けについてまとめてみました。

ACE阻害薬の一覧と効能効果、用法

現在販売されているACE阻害薬の成分は12種類であり、それぞれの一般名・成分名、製品名とその発売年、効能効果、用法をまとめた一覧は以下の通りです。

一般名・成分名 製品名(発売年) 効能効果 用法
カプトプリル カプトリル
(1983年)
本態性高血圧症、腎性高血圧症、腎血管性高血圧症、悪性高血圧 分3
エナラプリル レニベース、エナラート
(1986年)
本態性高血圧症、腎性高血圧症、腎血管性高血圧症、悪性高血圧、慢性心不全 (軽症~中等症) 分1
アラセプリル セタプリル
(1988年)
本態性高血圧症、腎性高血圧症 分1~2
デラプリル アデカット
(1989年)
本態性高血圧症、腎性高血圧症、腎血管性高血圧症 分2
シラザプリル インヒベース
(1990年)
高血圧症 分1
リシノプリル ゼストリル、ロンゲス
(1991年)
高血圧症、慢性心不全(軽症~中等症) 分1
ベナゼプリル チバセン
(1993年)
高血圧症 分1
イミダプリル タナトリル
(1993年)
高血圧症、腎実質性高血圧症、1型糖尿病に伴う糖尿病性腎症 分1
テモカプリル エースコール
(1994年)
高血圧症、腎実質性高血圧症、腎血管性高血圧症 分1
キナプリル コナン
(1995年)
高血圧症 分1
トランドプリル オドリック、プレラン
(1996年)
高血圧症 分1
ペリンドプリル コバシル
(1998年)
高血圧症 分1

ACE阻害薬の使い分け

上記の中で実際によく使われるのはレニベース、タナトリル、コバシルあたりでしょうか。

「薬の比較と使い分け 羊土社」を参考にさせてもらうと、レニベースは慢性腎不全に、タナトリルは1型糖尿病に伴う糖尿病性腎症に適応があり、それらの目的(もしくは高血圧治療に比重を置きつつそれらの疾患に対しても)に使うケースがある、コバシルはT/P比が高く、安定した持続性があるという特徴があげられます。非常にわかりやすい。。。

それ以外のACE阻害薬については正直昔から使ってた、という患者さんがそのまま継続しているのがほとんどではないでしょうか。現在は新規でACE阻害薬を使う患者さんはそんなにいません。特に用法が分1でないものを使うメリットはあまりないですしね。

ただし、高齢者で誤嚥性肺炎を防ぐ目的であえて空咳の可能性があるACE阻害薬を使用するケースもありますね。

ACE阻害薬の服薬指導

継続している人がほとんどなのであまり改めて服薬指導するケースは少ないと思われますが、タナトリルとかは今でも新規で使うケースはありそう。

血圧をあげることに寄与する酵素を阻害することで血圧を下げる薬、乾いた咳が続くようなら要相談、、、めまい・ふらつきに注意、、、このくらいは注意喚起が必要ですかね。

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