β遮断薬の一覧と使い分け

03 循環器

βブロッカーの一覧、使い分けについてまとめてみました。

β遮断薬の一覧

βブロッカーをβ1選択性、ISA(内因性β刺激作用)の有無、α遮断作用も併せ持つで分類すると以下の通り。

β1選択性ISA(-)

一般名(成分名) 代表的な製品 効能効果
アテノロール テノーミン 本態性高血圧症(軽症~中等症)、狭心症、頻脈性不整脈(洞性頻脈、期外収縮)
ビソプロロール メインテート 本態性高血圧症(軽症~中等症)、狭心症、心室性期外収縮、次の状態で、アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンII受容体拮抗薬、利尿薬、ジギタリス製剤等の基礎治療を受けている患者 虚血性心疾患又は拡張型心筋症に基づく慢性心不全、頻脈性心房細動
ベタキソロール ケルロング 本態性高血圧症(軽症~中等症)、腎実質性高血圧症、狭心症
メトプロロール セロケン、ロプレソール 本態性高血圧症(軽症~中等症)、狭心症、頻脈性不整脈

 

β1選択性ISA(+)

一般名(成分名) 代表的な製品 効能効果
アセブトロール アセタノール 本態性高血圧症(軽症~中等症)、狭心症、頻脈性不整脈(洞性頻脈、期外収縮、発作性上室性頻拍、新鮮心房細動、除細動後の洞調律の維持)
セリプロロール セレクトール 本態性高血圧症(軽症~中等症)、腎実質性高血圧症、狭心症

 

β1非選択性ISA(-)

一般名(成分名) 代表的な製品 効能効果
プロプラノロール インデラル 本態性高血圧症(軽症~中等症)、狭心症、褐色細胞腫手術時、期外収縮(上室性、心室性)、発作性頻拍の予防、頻拍性心房細動(徐脈効果)、洞性頻脈、新鮮心房細動、発作性心房細動の予防、片頭痛発作の発症抑制、右心室流出路狭窄による低酸素発作の発症抑制
ナドロール ナディック  本態性高血圧症(軽症~中等症)、狭心症、頻脈性不整脈

 

β1非選択性ISA(+)

一般名(成分名) 代表的な製品 効能効果
カルテオロール ミケラン 本態性高血圧症(軽症~中等症)
ピンドロール カルビスケン 本態性高血圧症(軽症~中等症)、狭心症、洞性頻脈

 

β1非選択性血管拡張作用(+)

一般名(成分名) 代表的な製品 効能効果
ニプラジロール ハイパジール 本態性高血圧症(軽症~中等症)、狭心症

 

αβ遮断薬

一般名(成分名) 代表的な製品 効能効果
アモスラロール ローガン 本態性高血圧症、褐色細胞腫による高血圧症
アロチノロール アロチノロール塩酸塩錠「DSP」 本態性高血圧症(軽症~中等症)、狭心症、頻脈性不整脈、本態性振戦
カルベジロール アーチスト 本態性高血圧症(軽症~中等症)、腎実質性高血圧症、狭心症、
次の状態で、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、利尿薬、ジギタリス製剤等の基礎治療を受けている患者 虚血性心疾患又は拡張型心筋症に基づく慢性心不全
頻脈性心房細動
ラベタロール トランデート 本態性高血圧症、褐色細胞腫による高血圧症
ベバントロール カルバン 高血圧症

β遮断薬の使い分け

まず、今でも比較的よく使われているのは、β1選択性ISA(-)のテノーミン、メインテート、セロケン、β1選択性ISA(+)のアセタノール、β1非選択性ISA(-)のインデラル、β1非選択性ISA(+)のミケラン、αβ遮断薬のアロチノロール、アーチストといったところでしょうか。

ISA(+)はβ遮断薬の心拍数低下などの副作用を軽減できるとも考えられているが、最近はあまりメリットとして捉えられていない感がありますね。実際、ISA(-)のものの方が近年は使われていると思います。

β1選択性については、非選択性よりも選択性のものの方が継続で使われる感がありますが、非選択性のインデラルには頓服でも使用される強みがあります。喘息を有する場合は、β2遮断を避けたいため、β1選択性の方が良いでしょう。

β遮断は相対的にα刺激を亢進させる可能性があるため、糖尿病などで末梢血流を考慮したいときはαβ遮断薬は向いていると考えられますね。

現実的な使い分けとして、現在メインで使われるのはメインテートとアーチスト。頓服であればインデラル。この3つだけでもほぼまかなえると考えられる。

メインテートとアーチストの使い分けはそこまで厳密ではないと思うが、感覚的により頻脈系ならメインテート、心不全系ならアーチストという感じでしょうか。

参考文献

以下の書籍がかなり参考になります。

循環器治療薬ファイル 第2版 著:村川裕二

 

 

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