高血圧の副作用指導に関して、血圧の正常値・目標値や治療の目的、高血圧の身体への影響についてまとめました。
血圧の正常値・目標値
降圧剤を使う患者さんからよく聞かれるものの一つはどれぐらいまで血圧が下がれば良いかという点があります。
一般的な降圧目標は、高血圧治療ガイドライン(JSH2014)でも言及されている140/90mmHg未満を患者さんにも伝える良いのかと思います。
ただし、これは続きがあって、心血管病リスクの高い糖尿病、蛋白尿陽性のCKD患者では130/80mmHg、臓器障害を伴うことが多い後期高齢者では150/90mmHgとされています。
そしてそして、家庭血圧においてはこっからさらに5mmHg低いものを目標にするとのこと。
これらを一気に伝えると、患者んによっては混乱してしまうので、まずは140/90mmHg未満を伝えるのがよいですかね。さらに突っ込まれた場合は、こまかい病態によって目標値が多少異なることを説明。
高齢者で下がりきらないと心配しているようなケースでは150mmHg以下なら最低限の目標に達しているなど補足するのが良いですかね。
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なぜ高血圧の治療をするのか|治療の目的、身体への影響
たまになんで血圧高いのが悪いの?という素朴な疑問を持っている患者さんがいる。
確かに改めて聞かれるとね。。。
高血圧治療ガイドライン(JSH2014)の「治療の目的」では、高血圧の持続によってもたらされる心血管病の発症・進展・再発を抑制し、死亡を減少されることである、と言及しています。
これをそのまま伝えると、心血管病ってなに?になりますよね。
具体的には脳卒中や冠動脈疾患、さらに具体的に言うと、脳卒中は脳出血、脳梗塞、くも膜下出血、冠動脈疾患は狭心症や急性心筋梗塞、ここまでくるとどんな患者さんでも聞いたことがある語句が出てくる。
なので、高血圧の状態が続くと、脳卒中や心筋梗塞などを引き起こす可能性があります、くらいに説明するのが無難ですかね。
診察室の血圧と家庭の血圧
診察室の血圧と家庭の血圧の値が異なるという患者さんも結構いますね。
その場合は、高血圧治療ガイドライン(JSH2014)では家庭血圧の方が優先されるとされています。白衣高血圧という人は結構いる印象。
先生の前だと血圧が高く出る、という患者さんには毎日の家庭でつけている記録が大事です、と言うのが良いかも。
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