イナビルの服薬指導|説明のポイント

12 感染症

イナビルの服薬指導、説明ポイントなどについてまとめてみました。

イナビルの効能効果、用法用量の基本的事項

まずはイナビルの効能効果と用法用量。

当然インフルエンザの治療で使う薬、予防でも使えるが保険適応外。

10歳未満は20mg(1キット)、10歳以上は40mg(2キット)を使用。通常は1回で使い切り。

予防の場合は、10歳以上では2日間に分けて1キットずつの使用でもOK。10歳未満は1キットだけなので必然的に予防でも1回使い切り。

併用禁忌、併用注意はなし。

主な副作用は、下痢(0.31%)、めまい(0.11%)、悪心(0.08%)、蕁麻疹(0.08%)、発熱(0.08%)など。頻度は使用成績調査の結果。下痢は本当に薬によるものなのか、、、疾患の影響もある気がする。その他も頻度はかなり低いので副作用の心配はあまりないと言える薬。

ただし、他のインフルエンザ薬同様、異常行動の報告もあり。

低出生体重児、新生児又は乳児に対する安全性は確立していない。幼児は使用経験が少ない。実際はには吸入を使用できる小児であれば使用できると言えそう。

妊婦は有益性があれば、授乳婦は授乳は避ける、という添付文書上のいつもの文言。実際は、どっちも大丈夫という考えが一般的。国立成育医療研究センターのサイトでも使用は問題ないという論調。

お探しのページが見つかりません | 国立成育医療研究センター

厚生労働省の資料でも推奨されている。

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/pdf/ninpu_1217_2.pdf

❕付録1:薬剤師クイズ 〜新人薬剤師の退職理由〜❕

一年目で辞めてしまった薬剤師にアンケートを実施した結果、退職理由で最も多かったものはどれ?

A. 勤務時間やシフトの不満
B. 業務内容の不満
C. 人間関係の不満
D. 給与面の不満

イナビルの服薬指導、詳しい操作手順

イナビルは1回使い切りなので、服薬指導しながら、その場で吸ってもらうのもあり。

説明のポイントは

①薬をトントンとたたいて薬を下に集める。
②薬剤トレー①側を押してスライドさせる。
③吸入口をくわえ吸入。2〜3秒程度息を止める。
④薬剤トレー②側を押してスライドさせる。
⑤吸入口をくわえ吸入。2〜3秒程度息を止める。
⑥吸い残しがないように②〜⑤繰り返し。
⑦10歳以上ではもう1キットで同じ操作。

上記のような流れで説明すれば、最低限のポイントは網羅できています。

なお、異常行動についてもすこは触れるようにするのが安全。特に10代。

関係ないと思うけど、、、という感じで切り出し、男性10代、発熱2日以内は特に注意。

イナビルでよく聞かれる質問

患者さんから聞かれる点をまとめてみました。

吸入だけでいいの?

インフルエンザウイルスがのど・気管支で増殖するので、吸入薬のイナビルで直接、のどや気管支に作用することで治療効果が得られる。

1回だけで効果あるの?

気管や肺に長時間貯留する仕組みであるため、1回で効果を発揮する。

吸った後に水とか飲んで良いの?

メーカーのサイトの回答は飲食は特に問題なし。

気管支と食道は違うのでまぁ大丈夫でしょうね。

薬使ってからどれくらいで出勤(登校)できるか

まずは、薬を使ってからではないという説明。発症した日と、解熱した日がポイント。発症日は発熱した日。

「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」なので、例えば火曜日に熱が出て発症し、木曜日に解熱した場合は、発症後5日経過(6日目)は月曜日、解熱2日経過(3日目)は日曜日、ということで、登校可能なのは月曜からということになる。ちなみに解熱日は解熱剤を使わずに1度も37度を超えなかったという解釈。午後に36度台に下がった、という場合その日は解熱日ではなく、翌日が解熱日となる。

ちなみに上記は学校保健安全法施行規則なので、厳密に言うと必ずしも社会人は従う必要ありませんが、どこの会社も上記に準じているケースが多いので、大人の方にも上記を参考にするよう説明するのが良いかと思います。

❕付録2:薬剤師クイズ 〜辞めた後の問題〜❕

一年目で辞めてしまった薬剤師へのアンケートで、「退職後に問題になったこと」で最も多かった回答はどれ?

A. 転職先で経験や技術が不足していると感じた
B. 給料が下がった
C. その後も転職を繰り返すようになった
D. 特に問題になることはなかった

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12 感染症
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