漢方薬の併用で注意が必要なもの|カンゾウの上限などについて

17 漢方

漢方薬の飲み合わせ、特にカンゾウについて上限なども含め確認していきます。

漢方薬で特に注意が必要なものはカンゾウ|上限は5g?

保険適応のある漢方薬のうち、実に7割以上の処方に含まれているの生薬がカンゾウですね。

漢字で書くと「甘草」。

このカンゾウですが、以前は上限として5gが設定されていました。今は廃止されているようですね(秋津鴻池病院 薬剤部 DIニュース)。

ただ、この上限5gという概念は今も使われている印象であり、複数の漢方を併用している場合、自分の場合は5gを超えるかどうかで疑義照会をかける基準にしています。

もちろん、芍薬甘草湯や甘草湯は1日3回で使用したらこれだけで5g超えるのでこれは例外といえますかね。ただ、長期で継続する場合はやはり疑義照会しておいた方が無難でしょうね。

注意が必要な偽アルドステロン症

前述の通り、漢方薬のリスクの一つとしてカンゾウの過剰摂取が挙げられますが、これにより引き起こされる可能性があるのが、偽アルドステロン症ですね。

偽アルドステロン症の定義は、アルドステロンの増加は伴わないが、高血圧、むくみ、カリウム喪失などの「アルドステロン症」の症状を示す病態です。

主な症状として、「手足の力が抜けたり弱くなったりする」、「血圧が上がる」などが知られています。これに次いで、「筋肉痛」、「体のだるさ」、「手足のしびれ」、「こむらり」、「麻痺」、「頭痛」、「顔や手足のむくみ」、「のどの渇き」、「食欲の低下」、「動悸」、「気分の悪さ」、「吐き気」、「嘔吐」などとされています(PMDA資料:偽アルドステロン症 )。

カンゾウとその主成分でもあるグリチルリチン成分の薬剤を使用している場合は注意が必要ですね。

初期症状としては、「手足のだるさ」、「しびれ」、「つっぱり感」、「こわばり」がみられ、これらに加えて、「力が抜ける感じ」、「こむら返り」、「筋肉痛」が現れて、だんだんきつくなるような場合(前述と同様の引用)、とされいるので、このような症状をあらかじめ注意喚起しておく必要があるでしょう。

その他に注意が必要な組み合わせは

その他に特に注意が必要な生薬として、マオウ、ダイオウ、ブシ、サンシシなどが挙げられるでしょうか。

特にマオウは主成分がエフェドリンであり、過剰にとると不眠、発汗過多、頻脈、動悸、全身脱力感、精神興奮等が考えられます。

マオウの明確な上限は見つかりませんでしたが、薬局ヒヤリハット事例集で、ツムラ麻黄湯エキス顆粒の1日量5gを超える場合は要疑義照会としており、個人的にはこれに準ずるのが良いと思っています(薬局ヒヤリハット事例収集・分析事業)。

ダイオウやサンシシについてはクリニックのサイトがよくわかりやすいです(鶴川台ウィメンズクリニック 最低限これだけは覚えておきたい!漢方薬の副作用)。まぁダイオウは含まれる漢方が比較的限られており、使用目的が同じケースが多いので、併用されていると違和感を感じますよね。医師側でもあまり見落とすケースは多くないでしょう。

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