かかりつけ薬剤師の要件と施設基準など|厚生労働省の通知から確認

かかりつけ薬剤師の要件や施設基準など、法規的なところをまとめました。

かかりつけ薬剤師の施設基準

厚生労働省における資料の特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(通知) 平成30年3月5日保医発0305第3号において、かかりつけ薬剤師の施設基準は以下のように規定されています。

以下の要件を全て満たす保険薬剤師を配置していること。
(1) 以下の経験等を全て満たしていること。
ア 施設基準の届出時点において、保険薬剤師として3年以上の薬局勤務経験
があること。
イ 当該保険薬局に週32時間以上勤務していること。
ウ 施設基準の届出時点において、当該保険薬局に1年以上在籍しているこ
と。
(2) 薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得し
ていること。
(3) 医療に係る地域活動の取組に参画していること。

簡単にまとめると、保険薬剤師として薬局勤務の経験が3年以上ある薬剤師が週32時間以上、過去1年以上在籍していること。認定薬剤師であること。地域活動に取り組んでいること。

かかりつけに必要な地域活動の具体例は

地域活動の具体例については、平成28年度診療報酬改定に係る疑義解釈資料その1および、その3にQ&Aがあり、地域ケア会議などの参加、住民への研修会等への参加、薬と健康の週間・薬物乱用防止活動・注射針の回収などの地域活動(ただしポスターのみは不可)、休日夜間薬局の対応、学校薬剤師の業務などがあげられています。

一番ハードルが低そうなのは注射針の回収でしょうか。ポスター掲げるだけではダメとなっているので、実際に回収した実績が必要ですが、比較的現実的なものですね。

地域ケア会議や住民への研修会は、ちょっとしたコネが必要な印象。

薬と健康の週間や薬物乱用防止活動については、ポスターだけではダメなのでイベントへの参加が必要になりまりますが、時期が合わないと以外と難しいかも。

休日夜間薬局の対応も回ってこないと実施できませんが、地域によっては割と実行しやすいかもですね。

学校薬剤師業務は、、、どうでしょう、ちょっと構えちゃいますよね。

というわけで、個人的には注射針の回収が一番気軽に取り組めることと思うので、まずはここから始めるのが良いのではないでしょうか。

❕付録:薬剤師クイズ 〜疑義照会が必要かも〜❕

70代男性、以下の継続処方あり。

Rp.1)ジャヌビア50mg 1錠
分1 朝食後     30日分
Rp.2)アジレクト1mg 1錠
分1 朝食後     30日分
Rp.3)アミティーザ24μg 2cap
分2 朝夕食後    30日分

主訴)
・便秘はまだ続いている。薬続けて様子みるよ。
・腰も痛い状態が続いてて、整形で痛み止めのカプセルが追加になった。
・最近トイレに起きる回数が多くて。尿が出るのも少し時間がかかるかな。

上記の患者さんで疑義照会が必要な可能性があります。

かかりつけ薬剤師指導料の要件

次にかかりつけ薬剤師指導料を実際に算定する際の要件。

厚生労働省における資料の診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知) 平成30年3月5日保医発0305第1号の別添3に詳細があります。

かかりつけ薬剤師指導料については、区分13の2。

(1)〜(11)まであるので順番にみていきます。

(1) かかりつけ薬剤師指導料は、患者が選択した保険薬剤師(以下「かかりつけ薬剤師」という。)が、保険医と連携して患者の服薬状況を一元的・継続的に把握した上で患者に対して服薬指導等を行った場合に算定できる。

(2) 算定に当たっては、当該指導料を算定しようとする薬剤師本人が次に掲げる全ての事項を説明した上で、患者に対し、別紙様式2を参考に作成した同意書に、かかりつけ薬剤師に希望する事項及び署名の記載を求め、同意を得る。また、かかりつけ薬剤師に関する情報を文書により提供する。必要な記入を行った同意書は、当該保険薬局において保管し、当該患者の薬剤服用歴の記録にその旨を記載する。
ア かかりつけ薬剤師の業務内容
イ かかりつけ薬剤師を持つことの意義、役割等
ウ かかりつけ薬剤師指導料の費用
エ 当該指導料を算定しようとする薬剤師が、当該患者がかかりつけ薬剤師を必要とすると判断した理由

まずは(1)と(2)。

かかりつけ薬剤師指導料を算定するには患者さんの同意・署名が必要となります。

上記のア〜エを説明して、署名をもらう必要があります。ちなみに厚労省から示されている別紙様式2は必ずしもそのまま使わなくても大丈夫そう。ただ、特別な理由がなければそのまま使うのが安全と言えますね。

ちなみにア〜エってみなさん何て説明しているんですかね?

個人的には

ア かかりつけ薬剤師の業務内容
→ 飲み合わせのチェックとか、緊急の時に相談に乗ります

イ かかりつけ薬剤師を持つことの意義、役割等
→ 薬に関して手厚いサポートがあるので安心して薬を使っていただけます

ウ かかりつけ薬剤師指導料の費用
→ 最大で100円程度負担が増えます

エ 当該指導料を算定しようとする薬剤師が、当該患者がかかりつけ薬剤師を必要とすると判断した理由
→飲み合わせに注意が必要な薬を使用されているため、ご提案いたしました

という感じで説明していますね。

かかりつけ同意取得は複数回来局後:初回は不可

続いて区分13の2の(3)〜(5)。

(3) 同意取得は、当該薬局に複数回来局している患者に行うこととし、患者の同意を得た後、次回の処方箋受付時以降に算定できる。なお、1人の患者に対して、1か所の保険薬局における1人の保険薬剤師のみについてかかりつけ薬剤師指導料を算定できるものであり、同一月内は同一の保険薬剤師について算定すること。

(4) 他の保険薬局及び保険医療機関おいても、かかりつけ薬剤師の情報を確認できるよう、患者が保有する手帳等にかかりつけ薬剤師の氏名、勤務先の保険薬局の名称及び連絡先を記載する。

(5) 患者に対する服薬指導等の業務はかかりつけ薬剤師が行うことを原則とする。ただし、やむを得ない事由により、かかりつけ薬剤師が業務を行えない場合は、当該保険薬局に勤務する他の保険薬剤師が服薬指導等を行っても差し支えないが、かかりつけ薬剤師指導料は算定できない(要件を満たす場合は、「区分番号 10」の薬剤服用歴管理指導料を算定できる。)。この場合、他の保険薬剤師が服薬指導等で得た情報については、薬剤服用歴の記録に記載するとともに、かかりつけ薬剤師と情報を共有すること。

まず、かかりつけの同意取得は複数回来局している患者なので、新患さんは不可。新患アンケートでかかりつけの希望を聞いている薬局もあると思いますが、希望する→次回からかかりつけ算定、というは不可なので注意が必要。

2回目の来局時にかかりつけ同意もらって、3回目からかかりつけ指導料を算定するのが普通に考えると最短。ただし、初回と2回目の処方せん持参の間に、処方箋なしで来局してその時に同意をもらえば、2回目の処方箋持参にも算定できる気がするが、、、この裏技がOKなのかは謎。。。やらない方がよいかも。

(4)はかかりつけ患者さんのお薬手帳に自分の名前や医療機関名を書いたり貼っとけと言っている。

(5)はかかりつけ薬剤師がいない時の対応。いない時はかかりつけ薬剤師指導料は取れない。普通の薬剤服用歴管理指導料を算定するのが一般的。

かかりつけ薬剤師の服薬指導

区分13の2の(6)では服薬指導の内容について言及されています。

(6) かかりつけ薬剤師は、担当患者に対して、以下の服薬指導等を行う。

ア 「区分番号 10」の薬剤服用歴管理指導料に係る業務を実施した上で患者の理解に応じた適切な服薬指導等を行うこと。

イ 患者が服用中の薬剤等について、患者を含めた関係者が一元的、継続的に確認できるよう、患者の意向を確認した上で、服薬指導等の内容を手帳等に記載すること。

ウ 患者が受診している全ての保険医療機関の情報を把握し、服用している処方薬をはじめ、要指導医薬品及び一般用医薬品(以下「要指導医薬品等」という。)並びに健康食品等について全て把握するとともに、その内容を薬剤服用歴の記録に記載すること。また、当該患者に対して、保険医療機関を受診する場合や他の保険薬局で調剤を受ける場合には、かかりつけ薬剤師を有している旨を明示するよう説明すること。

エ 患者から 24 時間相談に応じる体制をとり、開局時間外の連絡先を伝えるとともに、勤務表を作成して患者に渡すこと。ただし、やむを得ない事由により、かかりつけ薬剤師が開局時間外の相談等に応じることができない場合には、あらかじめ患者に対して当該薬局の別の保険薬剤師が開局時間外の相談等に対応する場合があることを説明するとともに、当該薬剤師の連絡先を患者に伝えることにより、別の保険薬剤師が対応しても差し支えない。

オ 患者が他の保険薬局等で調剤を受けた場合は、その服用薬等の情報を入手し、薬剤服用歴の記録に記載すること。

カ 調剤後も患者の服薬状況の把握、指導等を行い、その内容を薬剤を処方した保険医に情報提供し、必要に応じて処方提案すること。服薬状況の把握は、患者の容態や希望に応じて、定期的にすること(電話による連絡、患家への訪問、患者の来局時など)。また、服用中の薬剤に係る重要な情報を知ったときは、患者に対し当該情報を提供し、患者への指導等の内容及び情報提供した内容については薬剤服用歴の記録に記載すること。

キ 継続的な薬学的管理のため、患者に対して、服用中の薬剤等を保険薬局に持参する動機付けのために薬剤等を入れる袋等を必要に応じて提供し、その取組(いわゆるブラウンバッグ運動)の意義等を説明すること。また、患者が薬剤等を持参した場合は服用薬の整理等の薬学的管理を行うこととするが、必要に応じて患家を訪問して服用薬の整理等を行うこと。なお、訪問に要した交通費(実費)は、患家の負担とする。

ク 必要に応じ、患者が入手している調剤及び服薬指導に必要な血液・生化学検査結果の提示について、患者の同意が得られた場合は当該情報を参考として、薬学的管理及び指導を行う。

服薬指導についてのことだが、そんなに特別なことは書かれていない。アは普通の服薬指導を理解度に応じて実施、イは患者本人・関係者が情報を把握できるよう手帳を活用する旨、ウは併用薬、市販薬、健康食品などを全て把握し薬歴記載、他の薬局ではかかりつけが決まっていることを伝えるよう言及。

エは勤務表を患者さんに伝え、時間外でも電話相談等応じる旨、オは他の薬局にかかったら情報入手、カは処方医とも連携し、服薬状況の把握を電話等でもする旨。

キはブラウンバック運動推奨、残薬整理で必要に応じて自宅訪問、クは血液検査の結果も参考にする、というような内容ですね。

かかりつけ指導料と麻薬加算、重複加算、ハイリスク加算、乳幼児加算は算定できる

区分13の2の(6)、(7)をみてきます。

(7) かかりつけ薬剤師指導料を算定する患者以外の患者への服薬指導等又は地域住民からの要指導医薬品等の使用に関する相談及び健康の維持増進に関する相談に対しても、丁寧に対応した上で、必要に応じて保険医療機関へ受診勧奨を行うよう努める。

(8) 麻薬管理指導加算、重複投薬・相互作用等防止加算、特定薬剤管理指導加算及び乳幼児服薬指導加算の取扱いについては、「区分番号 10」の「注3」に掲げる麻薬管理指導加算、「注4」に掲げる重複投薬・相互作用等防止加算、「注5」に掲げる特定薬剤管理指導加算及び「注6」に掲げる乳幼児服薬指導加算に準じるものとする。

(7)はかかりつけじゃない患者も従来通りしっかりやれよってこと?正直ここに書く意味がよくわかりませんでした。

(8)はかかりつけ薬剤師指導料とってても、麻薬加算、重複投与加算、ハイリスク加算、乳幼児加算はちゃんとやれば取れるとのこと。

時短の薬剤師もかかりつけを取れるケース

時短等の薬剤師さんもかかりつけが取れる旨が規定されているのが、区分13の2の(9)。

(9) 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第 76 号)で定める期間に、当該保険薬局の勤務時間が週 32 時間に満たない薬剤師が算定する場合には、次に掲げる対応を行う。

ア 同意取得にあたり、勤務時間が通常より短いことを説明する。

イ 患者に渡す勤務表には、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律で定める期間であるため短時間勤務となっている旨を記載する。

ウ 当該保険薬局に勤務する他の保険薬剤師と当該患者についての情報を共有し、同意している保険薬剤師の不在時に患者から問い合わせがあった場合等に、他の保険薬剤師が同意している保険薬剤師と連絡を取るなどして円滑に対応できる体制を整えておく。

まぁ多少手間ですが、現実的に算定できるくらいの内容ですね。

かかりつけ薬剤師指導料と同時算定不可のもの

最後に区分13の2の(10)と(11)。

(10) かかりつけ薬剤師指導料は、薬剤服用歴管理指導料又はかかりつけ薬剤師包括管理料と同時に算定することはできない。

(11) 平成 30 年4月1日前に取得した同意は、(2)の規定によらずその効力を有する。ただし、患者が同意の取消しを申し出た場合は、この限りでない。

(10)のとおり、当然かかりつけ薬剤師包括管理料は同時に算定できない。薬剤服用歴管理指導料同時はだめ。

あと、在宅患者訪問薬剤管理指導料や介護の居宅療養管理指導も確か同時はダメだったはず、間違ってたらすみません。

服薬情報等提供料もかかりつけとってる人は同時算定できない。

 

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