ユリスが発売|新規の尿酸再吸収阻害薬の特徴や薬価など

08 内分泌・代謝

新規の尿酸再吸収阻害薬として、ユリス(一般名:ドチヌラド)が発売となります。

ユリスの特徴などについて確認しています。

ユリスの特徴|ユリノームなどとの違いは

ユリス(一般名:ドチヌラド)は尿酸再吸収阻害薬に分類されます。

効能又は効果は「痛風、高尿酸血症」。

近年はフェブリクやトピロリックなど、尿酸生成抑制薬の方がメジャーだった感じがあるので、排泄促進薬の方で新しく出てくるのは少し画期的ですね。

具体的な作用機序は、腎臓における尿酸の再吸収に関与するトランスポーターであるURAT1を選択的に阻害することにより、糸球体でろ過された尿酸の尿中排泄を促進し、血中尿酸値を低下させる、とのこと。

つまり、尿酸の再吸収を抑制して、尿中に出すってことですね。当然尿は酸性に傾くので、結石とかは注意。酸性になる場合はアルカリ化を図ることと、「重要な基本的注意」に記載あり。まぁ、ウラリットあたりが適当ですかね。

ユリノーム(ベンズブロマロン)との違いですが、基本的な作用であるURAT1の阻害という面では同じ作用機序。細かいその他の部分に違いがあるみたいですね。ちなみにベネシッドとは再吸収の部位が違う。まぁベネシッドは今やほぼ使われないので、一回おいときます。

ユリノームとの細かな違いですが、まずは、CYP2C9の阻害ですかね。ユリスはワルファリンとの併用注意がないので、この点使いやすい点です。ユリスもCYP2C9の阻害があるみたいですが、程度が異なる様子。

あとは、警告・禁忌に関して、劇症肝炎の警告、および肝障害、腎結石・高度の腎機能障害、妊婦などの禁忌はなし。

用法も少し違いがある。ユリノームは1日1〜3回。ユリスは1日1回。ただし、ユリスは漸増が必要。この辺が処方拡大に影響は有りそうな感じ。

ユリスの承認と発売日は

ユリスは2020年1月に承認(承認日:1月23日)されています。

製造販売が富士薬品、販売が持田製薬となっています。

発売は通常、何もなければ承認から2、3ヶ月が多いですが、現時点で薬価も未収載なので、少し遅れている様子ですかね。2020年4月、5月あたりが濃厚でしょうか。

投与日数制限と長期処方の解禁日

新しい成分であるため、ユリスは発売日からから1年は14日投与制限となりますね

長期処方の1年後から解禁となるので、2021年の4月、5月とかですかね。

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ユリスの薬価

ユリスは現時点では薬価未収載です。

同じ作用機序のユリノームが基準の一つになると考えられますが、だいぶ古い薬なので、かなり安いんんですね。ユリノーム錠25mgが12.6円。ユリノーム錠50mgが18.8円。

もしかしたら系統が変わりますが、フェブリクあたりの方が基準になるのかも。フェブリク錠10mgが32.1円。

フェブリクは一応、維持量が40mgなので、フェブリク錠40mgの110.1円が、ユリスの維持量である2mg錠と同じくらいになる可能性もあるかも。。。

ユリスの用法用量

開始が0.5mgを1日1回。

尿酸値見ながら徐々に増量。添付文書上の維持量は2mg。最大が4mg。使い方はユリノームというよりは、フェブリクとかに似ている感じ。

用法及び用量
用法及び用量に関する説明
通常、成人にはドチヌラドとして1日0.5mgより開始し、1日1回経口投与する。その後は血中尿酸値を確認しながら必要に応じて徐々に増量する。維持量は通常1日1回2mgで、患者の状態に応じて適宜増減するが、最大投与量は1日1回4mgとする。

用法及び用量に関連する注意
尿酸降下薬による治療初期には、血中尿酸値の急激な低下により痛風関節炎(痛風発作)が誘発されることがあるので、本剤の投与は0.5mg1日1回から開始し、投与開始から2週間以降に1mg1日1回、投与開始から6週間以降に2mg1日1回投与とするなど、徐々に増量すること。なお、増量後は経過を十分に観察すること。

余談ですが、薬局に在庫する規格が悩ましいですね。

規格はユリス錠0.5mg、ユリス錠1mg、ユリス錠2mgの3種類。

フェブリクの現実をみると、案外最小規格の10mgで継続しているケースが少なくない。20mgで止まるケースも多く、40mgまでいく人は結構少数派なんですよね。

と考えると、まずは0.5mgと1mgだけで良いのかもしれない。。。

ユリスの服薬指導

ユリスの服薬指導はそこまで複雑じゃないですね。

1日1回、0.5mgから開始。特に食後の縛りなどもなし。もちろん発作がある場合は開始せず、服用中に発作が出た場合は用量変えずに継続。尿の酸性化に注意が必要なので、下半身の痛みなどは注意喚起。積極的な水分摂取をすすめる。

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