緑内障を合併症にもつ患者に禁忌の薬・成分をまとめてみた

緑内障の患者さんに対して禁忌の薬をまとめてみました。

緑内障で禁忌となる理由

禁忌となる理由をおさらいしておきます。

抗コリン薬や交感神経作動薬などが緑内障に禁忌にされる理由は、瞳孔括約筋が弛緩し散瞳となり、毛様体筋も弛緩させ眼圧が上がるため、緑内障に禁忌となります。

❕付録:薬剤師クイズ 〜疑義照会が必要かも〜❕

70代男性、以下の継続処方あり。

Rp.1)ジャヌビア50mg 1錠
分1 朝食後     30日分
Rp.2)アジレクト1mg 1錠
分1 朝食後     30日分
Rp.3)アミティーザ24μg 2cap
分2 朝夕食後    30日分

主訴)
・便秘はまだ続いている。薬続けて様子みるよ。
・腰も痛い状態が続いてて、整形で痛み止めのカプセルが追加になった。
・最近トイレに起きる回数が多くて。尿が出るのも少し時間がかかるかな。

上記の患者さんで疑義照会が必要な可能性があります。

開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障

緑内障で該当薬が禁忌になるのは基本的に閉塞隅角緑内障の場合であり、患者数の多い開放隅角緑内障ではあまり問題がないケースがほとんどです。

また、閉塞隅角緑内障でもレーザー虹彩切開術などの処置をやっていれば問題が無くなります。

緑内障が禁忌の薬・成分は

緑内障で禁忌となる主な薬・成分を、薬剤の領域ごとにあげてみます。

抗ヒスタミン薬

クロルフェニラミンマレイン酸(ポララミン、セレスタミン等)、シプロヘプタジン(ペリアクチン)、メキタジン(ゼスラン・ニポラジン)などが該当します。

第二世代の抗ヒスタミン薬は基本的に禁忌ではありませんが、ゼスラン・ニポラジンは禁忌となるので注意が必要です。

なお、ディレグラはアレグラの成分であるフェキソフェナジンの他に、塩酸プソイドエフェドリンを含むため、狭隅角緑内障に禁忌となります。

総合感冒薬

プロメタジンを含むもの(PL配合顆粒、ピーエイ配合錠)、クロルフェニラミンマレイン酸を含むもの(ペレックス配合顆粒)などがあります。

その他、ベテランの医師の場合は、約束処方のようなもので、風邪に処方する組み合わせがあるケースがあり、その中に緑内障に禁忌となる抗ヒスタミン薬を含むケースがあるので注意が必要です。

鎮咳薬

ジヒドロコデインとジプロフィリンを含むカフコデ、ジヒドロコデインとメチルエフェドリン塩酸塩とクロルフェニラミンマレイン酸塩を含むフスコデ、ジプロフィリンをノスカピンを含むアストフィリンなどが禁忌となります。

ちなみにジヒドロコデイン、ジプロフィリン、ジヒドロコデインリン酸塩の単剤では禁忌ではありません。

気管支拡張薬

グリコピロニウム臭化物を含むもの(ウルティブロなど)、チオトロピウム臭化物を含むもの(スピリーバ、スピオルトなど)などが該当します。

泌尿器系

過活動膀胱の抗コリン系はほぼすべて緑内障禁忌となります。

代表的なものはプロピベリン(バップフォー)、イミダフェナシン(ウリトス・ステーブラ)、オキシブチニン(ポラキス、ネオキシテープ)、ソリフェナシン(ベシケア)、フェソテロジン(トビエース)などがあります。

β3作動薬のベタニス、ベオーバは禁忌ではありません。

睡眠導入剤・抗不安薬・抗てんかん薬

ベンゾジアゼピン系は基本的に緑内障と相性がよくないです。

例外の一つとしてエスタゾラム(ユーロジン)などがあり、こちらは禁忌ではありません。

またエスゾピクロンのルネスタなども実際には抗コリン作用がないと言われていますが、他に準じて禁忌にしているとか。。。

エーザイ 医療関係者向けページ

実際のところあまり危険性は高くないというのが現在の一般的な見解と考えられますが、それでも薬剤師の立場上、禁忌となっていると気になります。状況次第では、睡眠薬ではユーロジンが禁忌でない旨を医師に提案するのもありでしょう。

新規薬剤のベルソムラ(成分名:スボレキサント)とロゼレム(成分名:ラメルテオン)は共に緑内障禁忌ではありませんので、安全性を重視するならこちらもあり。ただし、ベルソムラはCYP3A阻害剤と併用禁忌(特にクラリスロマイシン)は注意したいところ、ロゼレムもフルボキサミン(デプロメールとルボックス)が禁忌なのでそっちに注意が必要です。

精神神経用剤(抗うつ系、AD/HD系)

比較的古い抗うつ薬は注意が必要です。三環系と四環系の一部は禁忌です。アモキサピン(アモキサン)、アミトリプチリン(トリプタノール)、イミプラミン(イミドール、トフラニール)、クロミプラミン(アナフラニール)、ロフェプラミン(アンプリット)や、マプロチリン(ルジオミール)は禁忌です。四環系でもミアンセリン(テトラミド)などは禁忌ではありません。

また、SSRI、SNRI、NaSSAは基本的に使用することが可能ですが、サインバルタは禁忌の記載があります。

また、AD/HDで使うアトモキセチン(ストラテラ)、メチルフェニデート(コンサータ)、ナルコレプシーで使うメチルフェニデート(リタリン)も禁忌となります。

鎮痙薬・自律神経薬

ブチルスコポラミン(ブスコパン)、チキジウム(チアトン)、メペンゾラート臭化物(トランコロン)など禁忌とされています。

抗パーキンソン病薬

抗パーキンソン病薬も緑内障では注意が必要です。

トリヘキシフェニジル(アーテン等)、ビペリデン(アキネトン)、レボドパ配合剤(メネシット、マドパー等)など禁忌となります。プロメタジン(ピレチア)なども禁忌に該当します。

基本的にはドパミン補充系、アセチルコリン受容体遮断薬系が禁忌であり、ドパミン受容体刺激薬(ミラペックス、レキップ、ニュープロパッチ等)は禁忌でない傾向があります。

不整脈薬

不整脈薬のⅠa分類のものは注意が必要です。シベンゾリン(シベノール)、ジソピラミド(リスモダン)などは禁忌となります。

血管拡張薬

一硝酸イソソルビド (アイトロール)、硝酸イソソルビド(フランドル)、ニトログリセリン(ミリステープ、ミオコールスプレー等)などは禁忌です。ニコランジル(シグマート)は注射は禁忌、錠剤は慎重投与となります。

参考サイト

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DI box

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